マシュマロテストとは? 〜自制心と長期的成功に関する研究〜
どーも!青空コーヒーです!
みなさんは、マシュマロテストというものをご存知ですか?
これは心理学では非常に有名なテストらしく、教科書にも載っているような実験らしいです。
まぁ僕は理工学部なので教科書の事情とかは知らないんですけども(笑)
このマシュマロテストが自分をコントロールすることと関連性があるようなので興味を持った次第です。
今回はマシュマロテストとそれに付随する情報をまとめようと思います。
テーマは、
「マシュマロテストとは? 〜自制心と長期的成功に関する研究〜」
です!
目次
マシュマロテストとは?
マシュマロテストは、1960年代、スタンフォード大学の心理学者であるウォルター・ミシェルによって行われました。
この実験の目的は、幼少期の自制心と、彼らの将来の社会的成果の関連性について調査することでした。
まず、保育園の4歳児90人を被験者としました。
彼らを部屋に入れて1人だけにして、大人がこういいます。
「ちょっと用事があるから、僕はしばらくここから離れるね。
テーブルの上にあるこのマシュマロは、となりに置いてあるベルを鳴らして大人の人を呼んだら、いつでも食べていいよ。
ただし、15分待っていられたら、もう1個マシュマロをあげるよ。」
朝三暮四ではありません。待てばしっかり褒美がもらえるのです。
しかしそのためには、子供たちは目の前にマシュマロがある誘惑と戦わないければいけません。
お菓子を食べたい欲求 vs 自制心
この結果は、自己抑制できてマシュマロを2つもらえた4歳児は、全体の約3割ほどだったそうです。
残り7割の4歳児は、お菓子を食べたい欲求が理性を圧倒したのです。
ここまでは肌感でわかります、本題はここから。
15年後、彼らの動向を再び調査したそうです。
すると、欲求に勝ってマシュマロを2つもらえたグループは、アメリカの大学進学適正試験の点数が200点以上高く、成績優秀だということがわかったのです。
それだけではありません。
30,40代になったときの肥満指数が低い
自尊心が高い
ストレスへの対処が上手
という結果も得られました。
つまりこのマシュマロテストの実験結果から、
自制心の強さは生涯続き、これが将来の社会的成功へと直結する
という結論が得られたのです。
非常に強力な結論ですよね。
マシュマロテストの補足
このマシュマロテストに、少しだけ補足をつけておくと、
まず、マシュマロテストは、年齢が上がると成功しやすいそうです。
小学生だとほぼ全員が成功する、というデータもあるそうです。
これは、もちろん脳の成長によって説明されます。
人の脳には、ホットシステムとクールシステムというものがあります。
ホットシステムは、生理的欲求や衝動を司る部分で、主に扁桃体周辺です。
ホットというだけあって、興奮に関するような部分ですね。
一方のクールシステムは、理性や自制を司る部分で、前頭前皮質などにあたります。
クールというので、冷静になるような部分です。
ホットシステムは、脳においても中心部分にあり、原始時代からあるような機能です。
一方のクールシステムは、現代になって発達してきた、理性的で知能がある部分です。
人は成長するにつれて、このクールシステムの部分が発達するので、小学生になると理性的に判断できるのです。
しかし、まだ幼い小学生未満の子どもになると、まだホットシステムが優位に働くので、衝動的にマシュマロを手にしてしまうのです。
ですから、幼い時からクールシステムが発達している、マシュマロを2つ手にすることができる子供は、やはり知能が発達していると言えるのかなと思います。
ここで自制心について。
自制心とは、読んで字のごとく、自分を制御する心の力です。
いかに自分が嫌だと思う不快なことに耐えられるか、そんな力のことです。
たとえば、嫌なことにでもポジティブなことを見出すことができたり、もともと誘惑が多い環境には身を置かないようにするとか。
こういう人たちは、自制心が強いと言えます。
逆に自制心がないと、言い訳する、誰かのせいにする、都合のいいことばかり考える、嫌なことは避ける、などどんどん弱い人間になってしまいます。
自制心を育てることで、強い人間になっていきたいものですね。
マシュマロテストに関する他の研究
自制心に関するマシュマロテスト。
非常に強力な結果なので、心理学の教科書にも載るような内容のようです。
しかし、このマシュマロテストに関する他の研究があるので、追記しておきますね。
2014年の研究
彼は、自制心は訓練によって高めることができ、このセルフコントロール能力が社会的な成功につながりやすいということを示しつつも、
セルフコントロール能力を高めることは、同時に細胞の老化を早めることにつながるということを明らかにしました。
つまり、成功と引き換えに健康を害するという残酷な研究結果です。
もちろんこれが正しいとも言えませんが、頑張る代償がありがちというのは感覚的にはわかります。
それを研究結果として出されるのは、なんとなく残酷だなぁと印象を受けますが…
2018年の研究
最新の研究です。
2018年、ニューヨーク大学とカリフォルニア大学の研究チームが再現実験をしました。
参加者は910人で、マシュマロテストよりも断然被験者数が多いのがまず1つ目の特徴です。
実験内容は、マシュマロを7分待つという点で、少しだけ時間は短くなっているものの、他はほぼ同じです。
そして、マシュマロを2つ手にした子は、たしかに学校の成績が良く、特に数学の能力が高いということが示されました。
ここまでは初期の実験と同様の結果ですね。
しかし、今回の再現実験では、もっと複合的な分析が行われたこともあり、別の結論が得られました。
それは、経済的背景という原因です。
というのも、比較的裕福で学歴のある家庭で育った子供の方が、マシュマロを2つ手にしやすいという結果が得られたのです。
これはもっと残酷ですね。
先ほどのジョージア大学の研究結果と合わせるなら、
裕福な家庭で育った子供は成功しやすく、貧乏な家庭で育った子供は健康を代償にすれば成功する。
ということになります。
2個マシュマロを手に入れた ⇒ 長期的な成功
ではなく、
裕福な家庭で育った ⇒ (2個マシュマロを手に入れやすい) ⇒ 長期的な成功
ということです。
長期的な成功の裏には、もっと別の原因があったということになります。
と、残酷な結果が得られたのはそうですが、学力と遺伝というあまり考えたくない因果関係についても研究は盛んですし、いずれもっと明らかになっていくのかなとは思います。
そして、僕が先ほど言った、ホットシステムとクールシステムも絡めた成功と経済的背景のつながりも、今後明らかになっていくのだろうと思います。
自制心を鍛えるには?
では最後に。
成功のために必要な自制心。
本当に健康を代償にしないといけないのかはおいておきますが、どのように鍛えればいいのでしょうか。
我慢を経験させる
訓練すれば高まるというのですから、基本は訓練です。
我慢をとにかく経験させるのが手っ取り早い方法です。
小さい頃はとにかく伸びやすい時期ですし、価値観形成の時期です。
たくさん小さい我慢を経験させてあげることが大切です。
自分でルールを決めさせる
デッドライン効果と呼ばれるものがあります。
少し違うんですけど、主体的にルールを決めることは、自制心の向上にもつながりますし、達成感も増します。
まとめ
いかがでしたか?
ちょっと残酷な研究結果が出始めているので、マシュマロテストが一概に正しいとは言い切れなくなっています。
しかし、自制心を育てることはできますし、自制心が高いと成功しやすいのは間違いなさそうです。
注意点は、自制心を鍛えることはできますが、健康がその代償になりがちという点です。
特に、過労やストレスによって精神的に疲れてしまうことですね。決定疲労というのもありますし。
ポイントは、自制心には限りがあるということを把握することです。
ずっと我慢しっぱなしは大変です。自制心を使ったら、その分だけ十分な休息が必要、ということを頭に入れておきましょう。
それでは!