青空の下でコーヒーを

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モラル・ライセンシングとは? 〜理性と本能の葛藤による自己正当化〜

どーも!青空コーヒーです!
 
 
みなさんには、なんでこれを買ってしまったんだろう?という経験はありませんか?
 
 
例えば僕の場合では、お金を節約しようとしているのに、なぜか自動販売機で飲み物を買ってしまったり、
 
細マッチョになりたい!と思って筋トレをしているのに、なぜかスーパーでアイスを買ってしまったり、
 
 
 
あぁなんでこんなことをしているんだろう、本当はするつもりないし、したくなかったのに…
 
これらはもしかしたら、モラル・ライセンシングと呼ばれる現象かもしれません。
 
今回はこのモラル・ライセンシングについてまとめていきます。
テーマは、
「モラル・ライセンシングとは? 〜理性と本能の葛藤による自己正当化〜
です!
 
 
 
目次
 
 

モラル・ライセンシングとは?

モラル・ライセンシングとは、簡単にいうと、
 
いいことをする(もしくはしようとする)と、悪いことをしたくなる
 
というものです。
 
 
 
いやいやいや〜そんなわけありませんがな〜笑
 
と思われるかもしれません。
しかし最近僕はこのモラル・ライセンシングをかなり自覚しているので、身に染みて感じています。
 
 
 
このモラル・ライセンシングは、もちろんいいことをしたときに発生しやすいです。
 
ここでいういいこととは、世間一般的に良いと言われるような、道徳的に善と判断されることです。
 
 
 
簡単なメカニズムはこうです。
 
 
 
いいことをすると、いい気分になります。
または、いいことをしようとするだけでもいい気分になってしまいます。
 
そのせいで、こう思ってしまうのです。
 
「いいことしたんだから、ちょっとくらい悪いことをしたっていいっしょ〜」
 
このような、道徳的に悪と判断される思考が発生して、それが実現してしまうのです。
 
 
 
 
このような方は、モラル・ライセンシングに陥っている可能性が高いです。
 
  • 先送りしがち
  • コンビニに行きがち
  • 口だけになりがち
  • 目標を立てただけで満足しがち
  • ご褒美をあげがち
 
チクチク刺さりますよね〜笑
 
おそらくですが、どの人もこのモラル・ライセンシングを体験したことがあるはずです。
 
このモラル・ライセンシングさえなければ、きっとよりよい選択をすることができ、実りある人生になるはずです。
 
なので、ぜひともこのモラル・ライセンシングは攻略していきたいものですね!
 
 
 
ちなみに僕はこのモラル・ライセンシングについては、この本で知りました。
 
 
スタンフォードの自分を変える教室
 
意志力と呼ばれるものについて書いている本です。
意志力によって自分のしたいことをしっかり選択していけるようになる、そのような奇跡の授業の内容をまとめてある本です。
 
読むだけでなく、実行することが非常に大切ではありますが、本当に変わりたい方にとってはおすすめの本です!
 
 
 
 

なぜモラル・ライセンシングが起こるのか

では、なぜこのモラル・ライセンシングが起きてしまうのでしょうか。
なぜいいことをしようと思っただけでも、全く逆の悪いことを選択してしまうのでしょうか。
 
 
大脳新皮質を休ませるため
まずは、脳の大脳新皮質という部位を休ませるためです。
 
脳の構造はこちらの記事でどうぞ。
 
大脳新皮質は、人間の進化とともに発達してきた部位です。
論理的能力などを司る知的な部位です。
もっというなら、理性的な部位です。
 
なので、いいことをしたり、努力するときには、この大脳新皮質が活発になります。
 
 
 
でも、ずっと動きっぱなしは大変ですよね?
そこで、大脳新皮質を休ませるという意味もありますが、
理性的な部分を抑えるようになります。
 
すると、理性というブレーキが緩まるので、本能が動き出します。
 
本能を司る大脳辺縁系という部分が、本能的な行動を取るようになります。
 
 
 
この本能的な行動が、道徳的に悪と判断されがちなため、モラル・ライセンシングにつながってしまうのです。
 
 
曖昧な褒美の基準
悪い行動とは言っていますが、それはつまりは本能的な行動であり、
言い訳をするとき、悪い行動はおおよそ褒美と言い換えられます。
 
 
「ダイエット中で糖質制限をして、少し頑張ったから、
じゃあ褒美としてアイスくらい食べていいよね?」
 
 
みたいに、褒美と言い換えられることが多いです。
 
 
 
私は、特に褒美がいけないと言ってはいません。
褒美についてはこちらの記事にも書いています。 
ただし問題なのは、
褒美の基準が曖昧である、という1点です。
 
褒美を与えるかどうか、それは自分が決めることですよね。
 
つまり、自分のための褒美をどれだけ与えられるかを、自分が決められるのです。
 
自分で決められるのですから、絶対の基準はありませんし、
なにより自分に対してですから、甘くなりそうですよね。
 
 
 
どうして自分に対して甘くなってしまうのか、それはおおよそ以下の要因が考えられます。
 
 
将来の自分へのツケ回し
最近の僕のブログでよく取り上げている、将来の自分へのツケ回し
これがモラル・ライセンシングにおける大きな原因の1つです。
 
 
 
モラル・ライセンシングが起こるときは、基本的に自己正当化を行なっています。
 
悪いことをしたのにも関わらず、それでいいんだという風に正当化するのです。
 
なぜこれが起こるのか、それこそが将来の自分へのツケ回しです。
 
 
 
そして、モラル・ライセンシングが起こるときには、だいたいこのような考え方に至ります。
 
「次こそは!今度こそ大丈夫!」
 
なんでこう思ってしまうのか。
 
 
 
 
人は、将来のことを楽観視しがちなのです。
 
これを楽観バイアスと言ったり、計画錯誤と言ったりします。
詳しくはこちらの記事に書いてあります。
 
 
そして、この「次こそ!」の機会が早いほど、モラル・ライセンシングは起こりやすいということもわかっています。
 
これはなんとなくわかると思います。
すぐ将来の自分なら、いま自分が思っている理想的な自分をすぐに実現できそうですからね。理想の自分を投影しやすいんです。
 
 
 
現状維持バイアス
計画錯誤と並んで、モラル・ライセンシングの原因となるのが、現状維持バイアスというものです。
 
これは僕のブログのなかでも一番読まれている記事ですので、きっと参考になると思います。
 
 
将来の自分へのツケ回しは、言ってしまえば、いまの自分が楽をしたいということです。
 
 
 
ある行動を、やるか、やらないか、という選択をするとき、
 
実は、そこには「迷う」という第3の選択肢があるのです。
この迷う選択肢を選ぶことで、選択を先延ばして決定労力を後回しにするのが、現状維持バイアスです。
 
 
 
ここでは、ある行動=いい行動となります。
 
ある行動を維持すること、それがやる選択肢。
ある行動を維持することをやめる、それがやらない選択肢。
 
 
本当はやりたいんだけど、やる選択肢を維持するのは大変ですよね。
そんなとき本能的な自分が、「いまはやらなくていいじゃ〜ん」という悪魔の囁きをしてきます。
 
理性的な自分と本能的な自分が葛藤します。
 
 
そして出す結論が、現状維持変わらないことを選ぶのです。
 
なので、いいことをした分、悪いことをして調整を図ろうとするのです。
 
 
 
 
楽観バイアスと多少被る部分はありますが、現状維持バイアスも大きな要因の1つです。
 
 
自由に生きたいという本能の正当化
先ほど、正当化という言葉を使いました。
モラル・ライセンシングにおいては、この正当化という言葉がおそらくキーワードになってきます。
 
 
そして、何を正当化するのかという部分で答えになりうるのが、
「ありのまま、自由に生きたい」という本能です。
 
 
多くの人は、よりよい人でありたいと考えて生きています。
一方、自己表現という欲望も持っています。
欲望についてはマズローの記事で書いています。
 
このうち自己表現の欲望というのが、ルールとか社会に縛られずにありのままの自分で自由に生きたいという欲望です。
 
 
 
つまり、理性的によりよい人として生きたいという道徳的な自分と、本能のままに自由に生きたいという自己中心的な自分が、常に葛藤状態にあるのです。
 
 
 
この葛藤、なかなか気づけません。
なぜなら、本能的な部分は無意識化で動いているからです。
 
自覚できていないからこそ、「あぁなんで自分はこんなことをしているんだろう…」と、自分がなぜそんな判断をしたのか把握できていないのです。
 
 
 
でも、人はそんなとき、理性的な自分でありたいがために、相反した行動をとるときに理由を求めます。
 
そこで出る理由が、本能に身を任せたという自己正当化です。
 
 
 
この、人がある判断をするときに理由を求めることを、認知不協和と言ったりしますが、これについては今後まとめていきます。
 
 
 

モラル・ライセンシングの抑制方法

このモラル・ライセンシングは非常に強力です。
多くのみなさんがこれに苦しんでいるはずです。
 
では、どのようにモラル・ライセンシングを抑制すればいいのでしょうか。
 
 
なぜそれをやるのかを思い出す
いいことをしたとき、もしくはしようとしたとき、
 
悪いことをしたくなる前に、自分に問いかけましょう。
 
 
「なんで私はこれをしようとしたんだっけ?」
 
 
行動をする前には、必ず意思があったはずです。
ある目的に沿ってこの行動を取ろう、と判断した意思があったはずです。
 
その意思を思い出すことが非常に大切です。
 
 
 
モラル・ライセンシングでは、どうしても目の前にある短期的な欲求である悪に負けてしまいがちです。
 
そんな本能的な欲望を打ち負かすのは、やはり理性です
 
 
 
そして、理性にとってモチベーションとなるのが、最初の目的なんです。
 
 
なぜ?と行動原因を考えるようにすると、目の前の行動よりも長期的な目線で物事を考えるようになり、理性的になります。
 
すると、モラル・ライセンシングが抑制されるようになります。
 
 
今日した行動は明日もする、と意識する
目的を思い出したとしても、まだダメな場合。
悪の行動を取ってしまいそうになったとき。
 
そんなときは、こう考える必要があります。
 
「そんなことをして、本当に次は挽回できるの??」
「今日負けたのに、いきなり明日勝てると思う??」
 
先ほど言ったとおり、将来の自分へのツケ回しをする、自己正当化するときに言い訳は、「次こそは!」という言い訳です。
 
 
なので、楽観バイアスを壊す必要があります。
 
先ほども紹介した、こちらの記事も参考にしてみてください。
 
 
 
新皮質を鍛える
モラル・ライセンシングが起こるのは、本能的な部分が活発になり、理性的な部分がそれを抑えられないからです。
 
そして僕は、本能的な部分が活発になるのは避けられないと考える立場にあります。
 
なので、理性的である大脳新皮質にアプローチしていくのですが、手段は2つ。
 
  1. 大脳新皮質を鍛えて、欲望に負けないようにする
  2. 本能的な部分をあえて発散させて、大脳新皮質を休ませる
 
1つ目は、大脳新皮質を鍛えることです。
 
普段から論理力とかそういう知的な思考力をとことん鍛えるようにします。
もししっかりと鍛えることができたのであれば、おそらく鍛える途中においても欲望に勝つことができているはずです。
 
たくさん訓練が必要ではありますが、理性的に頭が良くなる方法の1つです。
 
 
新皮質を休ませる
そして2つ目は、欲望を思いのままにぶちまけることです。
その間に新皮質を休ませるのです。
 
本能のままに、欲望のままに身をまかせる。
 
それができるのは、趣味や運動が最適です。
趣味や運動をするときは、大脳辺縁系と呼ばれる部分が活発になり、本能の部分が表に出てきます。
 
その間は、新皮質を使わずに済む、つまり理性でブレーキをかけることはありません。
 
これはストレス解消にもつながりますし、いいことだらけです。
 
 
自分の趣味を持ったり、定期的に身体を動かすことの大切さ、あらためて感じますね。
 
 
 
 

まとめ

いかがでしたか?
 
楽観バイアスと現状維持バイアス
この2つが原因で生じるモラル・ライセンシング。
 
抑制するには、
目的を思いだして自覚し、
今日やったことは明日も繰り返すということを認めること、
そして大脳新皮質を鍛えるもしくは休ませることが効果的です。
 
 
いいことをしようとしたあとに生じる甘えに気づき、うまく対処していきたいですね!
 
それでは!