青空の下でコーヒーを

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帰納法、演繹法、アブダクションの特徴と事例

どーも!青空コーヒーです!
 
就活でコンサルを中心に見ていたこともあり、論理的になることが求められたのが僕でした。
 
そんななかで、よくわからなくなるのが、帰納法演繹法という2つの推論法。
 
 
もう、漢字難しいし、文字から感覚的に分からないから、ほんと厄介ですよね。
 
 
 
というわけで、今回はこの2つに合わせて、第3の推論と呼ばれるアブダクションを合わせた3つを中心にまとめていこうと思います。
テーマは、
帰納法演繹法アブダクションの特徴と事例」
です!
 
 
目次
 
 

帰納法とは?

帰納法は、英語では induction と書かれます。
 
英語のinはもちろん、中を意味します。
しかしここでは、増加のincrease と同じinをイメージしてもらえればいいのかなと思います。
 
というか、そもそも帰納法帰納ってなんだ?って話ですよね。
 
 
 
 
これ、もともとは意味がなかったとの説がありました。
明治時代に西という方が訳したようです。
 
演繹はあとで説明しますが、帰納にはそこまで意味がなかったようです。
 
 
 
とにかく、帰納法とは、様々な事柄から傾向をまとめる推論です。
 
複数の具体的な事実から、共通点や傾向を見出すのです。
 
 
 
 
例は、今回は統一して「美人マッチョ好き説」を題材にします。笑
 
 
Aくん
「美人なEさんはマッチョが好きらしいよ」
 
Bくん
「美人なFさんもマッチョが好きらしいよ」
 
Cさん
「じゃあ、美人はマッチョが好きなのね」
 
 
 
というCさんの部分を求めるのが帰納法に当たります。
 
暴論じゃん!と思われた方はには、あとで説明あるのでもう少しお待ちを(笑)
 
 
 
 
 
数学的帰納法、と聞けば、高校の数学を思い出す方も多いかなと思います。
 
あれも、1つの事例がどんな数字nでもOK!、というものですから、立派な帰納法です。
 
 
 

帰納法の特徴

それでは、帰納法の特徴を簡単にまとめようと思います。
 
上方への推論
先ほど、increaseと同じイメージと言いました。
 
数多くの個別の事例から、数少ない共通の法則を導く。
これは、より抽象へと昇華させるようなイメージです。
 
美人はマッチョ好き、というのは抽象的ですもんね。
 
 
そういう意味では、帰納法は増加のようなイメージであり、上方の推論と言われます。
 
 
統計的結果
あくまでも帰納法は、統計的な結果であることが重要です。
 
例でも、EさんとFさんしかデータがありません。
 
データが少なかったら、その傾向を信じられるでしょうか。
 
別の美人はマッチョ好きと言えるのでしょうか。
 
 
納得感が大切
もし帰納法で納得させたいなら、データを増やすしかありません。
 
マーケティング、アンケートなどをもとして、サンプル数を増やす必要があります。
 
観察事項が少ないと、納得感に欠けてしまいます
 
 
たどり着いた傾向が必ずしも正しいとは限らない
そして、帰納法はあくまでも統計的な結果であり、傾向です
 
それは、一部から法則を導くからです。
 
もし、先ほどの美人マッチョ好き説を立証したいなら、本来なら世界中の美人に聞かなければいけません。
 
ですが、サンプル数は2人。
 
 
結論が必ずしも正しいとは限らない、のが帰納法です。
 
 
では、正しいとは限らないなら、この推論は使えないのでしょうか。
 
 
前に進むためのエンジンになりうる
帰納法は必ずしも正しくないから使えない、なんてことはありません。
 
むしろ、なにが正しいとか完全に言えるのでしょうか。
いままでの法則は、全ての事例が含まれた法則なのでしょうか。
 
 
 
そんなことはないですよね。
 
ある程度は推測でも進まないといけない、そんな時はあるはずです。
 
 
そういう時に、前に進むエンジンになりうるのが帰納法です。
 
目の前でいまなにが起きているのか、そこから傾向を見出して新しい法則を見出す。
 
そうして人は成長してきました。
 
AIとかビッグデータも、言ってしまえば帰納法です。
過去の事例から傾向を見出しているので。
 
 
 
チャレンジをサポートするのが帰納法なんです。
 
だから帰納法は必要なんです。
 
 
 
 

演繹法とは?

それでは、ここからは演繹法です。
 
演繹法は英語では deduction と書きます。
deときましたね。
 
そうです、decrease のイメージです。
下方の推論です。あとでもう一度言います。
 
 
 
演繹という言葉については、これもいろいろありましたが、演が演説とかでも使われるので喋るとかそういう意味で、
 
繹は引っ掛けるような鍵のようなものの意味らしいです。
 
 
 
つまり、まとまってるものから1つだけ引っ張り出すようなイメージ
 
 
もっと言うなら、
一般的で普遍的な事実や法則を前提にして、そこからある事例もそれに当てはまる、という推論です。
 
 
 
また例をやりましょう。
美人マッチョ好き説を前提として話を進めてみましょうか。
 
 
 
Aくん
「美人って、マッチョが好きらしいよ」
 
Bくん
「そういえば、Eさんは美人だよね」
 
Cさん
「なるほどね、だからEさんはマッチョ好きなのか」
 
Dさん
「じゃあ、美人なFさんはマッチョ好きなのかな?」
 
 
 
ABCさんの流れを、いわゆる三段論法と言います。
話の流れがとても綺麗ですよね。
 
演繹法といえば三段論法、といっても過言ではないです。
 
 
 

演繹法の特徴

それでは、演繹法の特徴をまとめます。
 
 
下方への推論
帰納法は、多くの事例から1つの傾向としての結論を導く推論でした。
 
一方の演繹法は逆です。
1つの傾向や法則に、事例を当てはめるのが演繹法です。
 
事例の方が法則よりも下方な気はしますよね。
 
 
万有引力の法則は1つしかないけど、
それを使った試験問題はたくさんある。
 
 
みたいなことです。
 
 
前提に注意する必要がある
演繹法は、前提を非常に重要視します。
 
先ほどの美人マッチョ好き説、あれはAくんの発言が前提です。
 
 
 
 
 
ではでは、美人マッチョ好き説は本当なのでしょうか。
 
 
これはおそらく、否ですよね。
 
 
そうなると、美人なEさんがマッチョ好きなのはたまたまであり、もう1人の美人なFさんにも当てはまるかと言われれば、なんとも言えません。
 
このように、前提となる部分が崩れることが多々あるのが演繹法です。
 
 
とくに前提には、普遍的事実が使われることが多いのですが、ここに主観が混ざったときが危険です。
 
 
また、前提には過去の傾向をまとめた結論を取り入れることがよくあります。
 
でも、過去で起こったから絶対にこうだ!とは言い切れないですよね。
 
災害対策も同じようなことです。前提を過去のデータから取っているので、未曾有の災害には論理が破綻してしまう、つまり大災害につなかるのです。
 
 
 
 
必然に必然を重ねて、地道にステップをたどっていくのが演繹法です。
 
前提で間違うようなことは、その先の論理も破綻してしまいます。
 
なので前提には十分な注意を払わないといけません。
 
 
短期的には効果を出しやすい
ですが、そんな演繹法はアイデアベースでの推論というよりも、知識ベースでの推論です。
 
前提となる知識や原理原則さえあれば、比較的容易に事例に応用することができます
 
 
イデアよりも、知識の方が時間はかからずになんとかできそうですよね。
一夜漬けのようなイメージでしょうか。
 
 
なので、短期的に見るのであれば、演繹法の方が良い場合があります。
 
さらに知識ベースなので、イデアベースの帰納法よりかは納得感があります。
 
 
もちろん、付け焼き刃になる可能性は十分あります
 
時間をかけて、一つ一つの論理的根拠、仮説を検証することで、説得力が増していきます。
 
 
 

アブダクションとは?

帰納法演繹法、そして第3の推論と呼ばれるのが、アブダクションです。
 
abductionというこの英語、日本語にすると「拉致」になります。
 
ただ、コンピューター系のとこからきたのでしょうか。
仮説生成仮説形成と訳されるようです。
 
これは、結果と傾向を合わせて、前提となる観察的事実に説明をつける、というような推論です。
 
ちょっとわかりづらいですよね。
では、ウィキペディア先生を引用します笑
 
 
 
論理的推論(ろんりてきすいろん、logical reasoning)は、論理学において演繹帰納アブダクション(仮説形成)の3種類に区別されうる。「前提条件」(precondition)、「結論」(conclusion)、そして「『前提条件』は『結論』を含意する」という「規則」(rule)があるとすると、それら3種の推論は次の仕方で説明されうる。
 
アブダクション(仮説形成)は過去事象についての「前提条件」を推定することを意味する。この推論は現在確定される「結論」と「規則」を用いて「ある『前提条件』が『結論』を説明することができるだろう」ということを裏づけることである。
 
 
今までの例を、もう一度整理してみますね。
いままで規則のところを、僕は傾向と言っていました。
 
帰納法においては、
 
「美人なEさんはマッチョが好きらしい」
「美人なFさんもマッチョが好きらしいよ」
「じゃあ、美人はマッチョが好きなのね」
 
前提条件:Eさんは美人、Fさんは美人
結論:Eさんはマッチョ好き、Fさんはマッチョ好き
規則:美人はマッチョ好き
 
 
 
演繹法においては、
 
「美人って、マッチョが好きらしいよ」
「そういえば、Eさんは美人だよね」
「なるほどね、だからEさんはマッチョ好きなのか」
 
規則:美人はマッチョ好き
前提条件: Eさんは美人
結論:Eさんはマッチョ好き
 
 
 
 
それでは、アブダクションではどうなるかというと、
 
Aくん
「Eさんってマッチョ好きらしいよ...」
 
Bくん
「そういえば、美人はマッチョ好きだよね。」
 
Cさん
「Eさんのこと知らないけど、もしかしてEさんって美人!?」
 
 
結論:Eさんはマッチョ好き
規則:美人はマッチョ好き
前提条件:Eさんは美人
 
 
 
Cさんの発想力、すごいですよねw
でも、アブダクションでは想像力がすべてです。
かなり高度な推論に当たるのかな、と僕は思います。
 
 
ウィキペディアでも載っていたのですが、
 
帰納法は科学者
演繹法は数学者
アブダクションは診断専門医や探偵
 
という各自の推論の使い分けでした。
 
たしかに、僕も理系大学院生なのでよくわかります。
僕は帰納法をよく使います。
実験をして事例を集めて、いままでの傾向とか規則を先行研究から引っ張って、最後に自分が考える結論を出します。
 
 
 
診断専門医は、さまざまな症状を見て、いままでの患者の傾向や医学的知識である規則に基づいて、なぜそういう症状が出ているのかという原因を診断します。
 
探偵もそうですよね。事件現場を見て、いままでの犯行の傾向や犯罪に関する傾向に基づいて、なぜそういう事件が起こったのかという原因を推理します。
 
 
 
かなり高度であり、知識だけでなく想像力も必要なので、帰納法演繹法よりも高度なのかな、と僕は思っています。
 
 
 

共通する注意点

それでは最後に、今まですべての推論に共通する注意点をまとめます。
 
論理の飛躍に注意する
まずは、論理が飛躍することに注意しなければなりません。
 
論理的とは、納得感のある筋書きがあるような状態です。
 
こうだからこうだよね、だからこうだよね、という流れでなければなりません。
 
 
 
Aくん
「この案件、引き受けるべきかな?」
 
Bくん
「やめときな。引き受けたら君がもたないよ。」
 
Aくん
「なんで持たないって言えるの?」
 
 
Aくん引き受けたらなぜ持たないと言えるのか、その理由をBくんは言っていませんね。だからAくんはなぜ?と尋ねています。
 
そういう理由とか根拠を示さずに進むと、論理的に飛躍しているということになります。
 
1つずつステップを意識して、相手に納得感を持たせないといけません。
 
 
MECEを意識する
そのステップを踏む上で注意するのが、MECEと言われる概念です。
 
聞いたことある人も多いと思います。
 
漏れなく、ダブりなく。
 
選択肢を考えるときは、漏れやダブりがあってはいけません。
 
 
Aくん
「なんで僕が持たないって言えるの?」
 
Bくん
「まずは、君の能力不足。
次に、案件にコミットできるメンバーの不足。
そして、メンバーを管理する君のリーダーとしてのスキル不足。
これらが欠点だね。」
 
 
 
それっぽく言ってみましたが、Aくんの能力不足の中にリーダーとしてのスキル不足は含ませそうなので、これはダブっていそうです。
 
さらに、内的原因しか言っていないので、外的原因である納期や相手の詳細などは触れていません。漏れもありそうですね。
 
選択肢や根拠を示すときは、漏れなくダブりなく、を意識しないといけません。
 
 
事実と意見を区別する
あと大切なのは、事実と意見を区別することです。
 
事実とは、客観的に誰が見ても「そうだね」と言えるような根拠があるようなもの。
 
意見は、個人や大衆が考えること。
 
根拠として適切なのは、もちろん事実。
 
意見を根拠にすると、演繹法の際のAくんではないですが、途中で破綻することがあります。
 
 
感情をスパイスにする
じゃあ、意見は参考にするべきでないのか。
 
そういうことではありません。
 
 
 
論理的に進めないときがあります。
すべてが論理的にいかないからこそ、世の中は面白いし、いろんな事件が起こるのです。
 
 
そして、大抵は感情が混在してくるのです。
 
 
 
感情を上手く使うことで、エンジンとかスパイスになり得るのが、推論で詰まったときです。
 
なにかを目的にして推論を使っているとは思うので、その目的に向かう感情が後押しをしてくれるはずです。
 
 
 
もちろん、逆もしかりです。
 
感情がブレーキになることもあります。
 
そういうときは、現状維持バイアスとかを疑ってください。
脳科学的に、なせ感情のブレーキがかかるのかは大抵説明できますよ。
 
 
行動までやり抜く
そして最も大切なのは、行動をすること。
 
ただ考えているだけでは、先には進みません。
 
なにを思いついたり、なにかがわかったところで、それを活かさなければ意味がありません。
 
とにかく行動に移すことで、状況は具体的に動いていきます。
 
そして詰まったらまた考える、といっあPDCAサイクルを回すのが大切です。
 

まとめ

いかがでしたか?
 
少し長くなってしまいましたが、推論にはいろいろやり方があります。
 
その時々の状況に合わせて、適切は推論を使うべきです。
 
そしてどんなときも、MECEに気をつけて、感情をほどよく取り入れ、その先にあるだろう行動までつなげること。
 
そこまで意識してみてください。
 
 
それでは!