青空の下でコーヒーを

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セルフ・ハンディキャッピングとは? 〜無能さを見透かされた言い訳〜

どーも!青空コーヒーです!
 
みなさんは、言い訳をよくする人ですか?
 
テスト前に、
「いやぁ、昨日全然勉強しなかったわ〜。」
 
「やっばい、家の掃除してたら勉強できなかった..」
 
こういう人、いますよね?
 
これ実は、セルフ・ハンディキャッピングと呼ばれる、立派な心理学用語で説明されるんです。
 
今回は、このセルフ・ハンディキャッピングについて。
テーマは、
セルフ・ハンディキャッピングとは? 〜無能さを見透かされた言い訳〜」
です!
 
 
目次
 
 

セルフ・ハンディキャッピングとは?

セルフ・ハンディキャッピングは、エドワード・E・ジョーンズによって提唱されている心理学用語です。
 
 
これは、
 
自分自身の失敗の理由は自分の外側に、
自分自身の成功の理由は自分の内側に求めるための事前工作
 
という感じです。
 
 
もう少し簡単に言うと、
 
自らの評価や自尊心を下げないための自己防衛
 
という感じです。
 
 
このセルフ・ハンディキャッピングには、大きく2種類あります。
 
 
自らそういう状況を作る、獲得的セルフ・ハンディキャッピング
 
口に出して宣言する、主張的セルフ・ハンディキャッピング
 
この2つです。
 
 
 
人間は、とても社会性のある生き物です。
一人では生きていくことが困難なため、どうしても集団社会の中で生きることが多くなります。
 
すると、集団の中での自分の立場、人からの見られ方というのは、切っても切れないものです。
自尊心がすっからかんの状態では生きていけません。
 
そして、特に日本人ですが、泥臭く頑張ることを嫌う傾向があります。
かっこよくクールに、決めるところは決める、そういう人の方に好感を持ちがちです。
 
そのため、泥臭く成功することよりも、手を打って自尊心を守ることが重要だ、と判断する場合があります。
 
このとき、セルフ・ハンディキャッピングが発動します。
 
 
 
似た言葉に、現実逃避という言葉があります。
しかし、現実逃避は自分だけの問題ですよね。
 
自尊心、つまりプライドを守るための自己防衛機能としてのセルフ・ハンディキャッピングなので、現実逃避とはまた違います。
 
 
 
 

セルフ・ハンディキャッピングによるメリット

嘘とまでは言いませんが、あえて言い訳をしてまでもセルフ・ハンディキャッピングをするのには、もちろんそれなりのメリットがあるからです。
 
失敗しても面子を保つことができる
それは、面子(めんつ)を保つことができるということです。
 
面子という言葉は麻雀ではよく使われますが、世間への体裁という意味です。
評判といえばいいでしょうか。
 
 
 
テストの例が一番わかりやすいので、そのまま進めましょう。
 
「いやぁ、昨日全然勉強しなかったわ〜。」
 
この後にテストを受けて、あまり点数が良くなかったとします。
すると、
 
「あ〜ぁ、やっぱりな。勉強しなかったもんな〜。」
 
と済ませることができますよね?
 
 
 
失敗したときには、セルフ・ハンディキャッピングが言い訳となりますので、失敗しても仕方ないという風に見える状況を作り出してくれます。
 
そのため、失敗しても、自分の評価や自尊心の低下を防ぐ、もしくは低減することができるのです。
 
言い訳をすることで罪悪感や劣等感を薄める効果があるのです。
 
 
 
成功したら評判をあげられる
セルフ・ハンディキャッピングのいいところは、失敗したときにも成功したときにも使えるということです。
 
 
「いやぁ、昨日全然勉強しなかったわ〜。」
 
この後にテストを受けて、めちゃくちゃ点数が良かったとします。
すると、
 
「おぉ!全然勉強してなかったのに、俺すごいじゃん!」
 
と、なんかすごく聞こえますよね?
 
 
セルフ・ハンディキャッピングによる障壁のようなものがあるのにも関わらず良い結果が得られたのですから、自分がすごいという風に捉えることができます。
 
そのため、自尊心を高めることができますし、他人からも高評価が得られるかもしれません。
 
 
 

セルフ・ハンディキャッピングによるデメリット

 
しかし、世間一般的にはセルフ・ハンディキャッピングはあまり良い意味では聞かれません。
 
それは、メリットよりもデメリットの方が大きいからではないでしょうか。
 
なので、しっかりとセルフ・ハンディキャッピングによるデメリットを確認していかなければなりません。
 
 
 
外部要因への責任転嫁
最初に言いました。
 
自分自身の失敗の理由は自分の外側に、
自分自身の成功の理由は自分の内側に求めるための事前工作と。
 
 
つまり、セルフ・ハンディキャッピングは、失敗の理由を自分の能力不足ではなく、外部要因にあると思わせる責任転嫁とも言えるのです。
 
これは、ただの論理のすり替えです。
本当は自分に原因があるはずなのに、勝手に外部要因に責任転嫁をしているのです。
 
 
 
「テスト勉強をしていなかったから、テストの点が悪かった。」
 
 
まぁ他人から見たら自業自得ともいえますが、そう言っている本人からしたら外部要因なのです。
 
なぜかといえば、本当はやる気になったらできると思っていて、本気になることができなかったのが自分が原因ではないという風に、自分自身の中では筋道が立っているからなのです。
 
 
 
自分の評価が高く、本気を出せばもっとできる!と言い訳をしている人は、本当は自己評価と現実の落差を怖がっているのです。
 
そのため、あえて自己評価を落とすことで、自分が傷つかないように防衛策をたてているのです。
 
 
 
向上心をなくす
セルフ・ハンディキャッピングは、たしかにその場しのぎの言い訳にはなります。
 
しかし、セルフ・ハンディキャッピングが習慣化になると、向上心がなくなってしまいます。
 
 
 
本来は、失敗は成功のもととも言われるように、失敗をすることで初めて自分の能力や考え方に向き合い、気づき、努力し、成功体験を積んで、充実感や満足感を得る、というスパイラルに向かうべきものです。
 
 
しかし、セルフ・ハンディキャッピングがあると、自分と向き合うという最初の工程を無視することになります。
 
外部に要因があるとしているため、自分に原因があると思いませんし、なので改善するわけもありません。
 
なので成功体験を積めることもありませんから、成長意欲がなくなります。
 
そのため、努力も、挑戦もしなくなります。
 
 
 
まぁ本当の原因は、そんなダメな自分を認めてあげる自己肯定感がないことです。
そのあたりは別記事で書いていると思うので、そちらをご覧ください。
 
 
 
 
自ら無能さをさらけ出している
そして、これが最大のデメリットです。
 
セルフ・ハンディキャッピングは、実は自分の無能さをさらけ出していることに他ならないのです。
 
どういう意味かわかりますか?
 
 
先ほど言った、セルフ・ハンディキャッピングでのメリット、失敗しても面子を保つことができる、これが本当はできていないんです。
 
セルフ・ハンディキャッピングをしている人はその事実に気づいていませんが、言い訳をしている人を見ている周りの人たちは気づいています。
 
 
 
 
「いやぁ、昨日全然勉強しなかったわ〜。」
 
 
これを周りの人が聞いたら、どう思うか。
 
 
「いやいやいや、勉強しなかった自分が悪いんだろ?
計画立てられてない自分の能力がないだけだろ?
それをなに言い訳してんの、こいつ信用ならんな〜。」
 
 
という評価を下しているものです。
 
 
つまり、自分ではセルフ・ハンディキャッピングによって言い訳をしているものの、他人からすべてを見透かされており、ただ自分の無能さを晒しているだけに過ぎないのです。
 
 
 
よく言われることですが、
 
人は失敗したとき、
自分の失敗は外に原因を求めるが、
他人の失敗は他人自身に原因を求めるそうです。
 
 
人がある人の行動を見たとき、その理由を環境に求めるよりも、その人の能力性格に理由を求めるそうです。
 
ホームレスの人を見たとしましょう。
あなたは、なぜその人がホームレスになっていると思いますか?
 
大抵の人は、その人の能力不足と勝手に思ってしまうそうです。
 
でも本当は、会社の倒産にあって、追突事故にあって、とかいろんな外的理由があるかもしれません。
 
それなのに、人は他人の失敗は自分のせいでしょ、と判断してしまうのです。
 
自分の失敗は外の理由にしたいくせに、本当に厄介な生き物ですね人って笑
 
 
 
 
 
まぁだからこそなんですけど、アイドルとかスポーツ選手って、かっこよく見えたりするんですよね。
 
だって、インタビューとか思い出してみてください。
 
「今回の勝利の要因はなんでしたか?」
という記者の質問に対して、
 
「ファンの皆さんのおかげです。」
 
って成功の要因を自分の外に求めていますよね。
 
 
本来だったら、成功したのは自分の能力のはずです。
それなのに、あえて外に要因を求めるのです。
 
それは、謙遜を好む日本人にとってはカッコよく見えるものです。
 
「こうやって活動できるのも、ファンの皆さんのおかげです!
本当に本当に、ありがとうございます!!」
 
そう言われると、アイドルにも好印象を持ってしまいがちです。
 
 
さらに逆に考えてみてください。
 
「今回の敗因はなんでしょうか。」
と聞かれたスポーツ選手は、なんと答えるでしょうか。
 
スタジアムのせい?
天候の影響?
相手のブーイング?
 
「自分の力不足です。」
 
こう答えるはずです。
相手や外部環境のせいにする人は多くないはずです。
 
 
 
自分のライブにお客さんが来ないのが、ライバルのせいにするアイドルはいません。
 
本当に売れるアイドルは、自分の能力不足だ、自分に魅力が足りていないからだ、と自分と見つめ合っているんです。
 
 
 
 
自ら無能さをさらけ出しているできない学生とは大違いですよね。
 
 
 
 

セルフ・ハンディキャッピングからの脱出

セルフ・ハンディキャッピングには、一見するとメリットがあるように見えます。
しかし実際のところ、他人からはいろいろ見透かされています。
 
そのため、やはり言い訳はしない方が世間体的にも、自己成長的にも良さそうですね。
 
では、どのようにセルフ・ハンディキャッピングから脱出すればよいのでしょうか。
 
言い訳をしている自分に気付く
まず大切なことは、言い訳をしている自分に気付くことです。
 
というのも、セルフ・ハンディキャッピングに甘んじている場合は、無自覚であることが多いです。
 
言い訳して外部に責任転嫁する方が、自分を非難せずに済むから楽なのです。
楽だからこそ、なにも考えずに言い訳をする状態に甘んじているのです。
 
 
しかし、そのままでは成長することはありません。
本当に自分を変えたいと思うのであれば、まずはそういう状況に陥っている自分に気づかなければなりません。
 
勝手に自己防衛をしている自分に意識的に気付くこと、それがスタートです。
 
 
 
自分の中に原因を探す
セルフ・ハンディキャッピングをしている自分に気付けたら、次です。
 
本当の原因を自分の中に探してみましょう。
 
一番辛い作業だと思います。
だって、自分で自分を無能だと認めないといけないのですから。
 
しかし、自分と向き合わなければ、何を直していいのかもわかりません。
この過程は必須なのです。
 
 
自分が普段目をそらしている、敬遠していることに目を向けなければなりません。
 
 
発見する手立てとしては、こういう考え方もあります。
「失敗しないために、これはしない」ということがあるはずなので、その「これ」を探すんです。
 
テストで失敗しないために、勉強しない、みたいな感じです。
 
すると、その勉強という部分に自分の無能さが隠れていることがほとんどです。
 
 
 
 
自分は大したことないと思う
自分と向き合うと、現実を突きつけられます。
自分はそんな大物じゃないんだってことに気付くことができます。
 
自分自身の評価 > 周りからの評価
 
と自分で思ってしまうからこそ、
 
自分自身の評価 < 周りからの評価
 
という現実を見たときに、その落差に落ち込むんです。
で、落ち込まないようにセルフ・ハンディキャッピングをしているのです。
 
 
 
なので、落差をなくす、というよりもむしろ、最初から落ちることがないようにすればいいんです。
 
つまり、
 
自分自身の評価 <<<<< 周りからの評価
 
と自分で思っておけばいいんです。
 
そしたら、「どーせ自分はダメダメなんだから、まぁ周りからもそう思われてるよな。」と思うようになります。
 
そしたら、特に言い訳をする必要もなくなります。
 
 
自分が地球上で最もダメな人間だ、と思うくらいに自分への期待値を下げるのも、一つ方法ではあります。
 
 
一部には絶対的な自信を持つ
ですが、自分をダメダメ思い続けていると辛いものがあります。
 
なので僕的にはですが、一部には自分自身に絶対的な自信を持つといいかなと思います。
 
勉強はダメでも、計算だけにはめちゃくちゃ自信がある。
 
スポーツはダメでも、投げることだけは超得意。
 
そんな感じです。
 
僕も、歌はまったく得意じゃないんで、カラオケとかすごい避けていたんですね。
 
だけど、自分が好きな曲はいい曲、っていう曲選のセンスだけには自信を持つようにしていました。
 
なので、カラオケでたとえ歌が下手だとしても、曲を聴いて周りの人が「いい曲だね」と言ってくれるだけ、自分の自信にはなっていました。
 
そうやって、一部だけでいいので、絶対的な自信を自分の中に持つと、それだけで胸を張って生きていくことができますよ。
 
 
 
背水の陣に自分を追いやる
言い訳をしない方法としては、全く逆のことを最初からすればいいんです。
 
つまり、言い訳をできない、背水の陣に自分を勝手に追いやってしまえばいいんです
 
 
よく、ビッグマウスといわれる人がいますよね。
 
大きい目標を言って、過信しすぎだと非難されがちな人です。
 
彼らは、自分から弱気な逃げ道をなくして、成功の可能性を高めようとしているんです。
 
 
 
 
人は、火事場の馬鹿力とも言うように、後に引けない状況でこそ本領を発揮するものだと、僕も思います。
 
英語が無理とか言いながらも、イギリスで誰も日本人がいない状況では英語を話すしか生き残る術はありません。
 
そんな状況になれば、たとえ勉強ができなくても英語が聞き取れ、しゃべれるようになるものです。
 
 
 
 
最初から自分の逃げ道を絶ってしまう、自信がありできると周りに宣言する、どちらもいい方法です。
 
そうしてしまえば、失敗したとしても、それがいまの自分の実力だと認めやすくもなりますよ。
 
 
 
お金を使う
ほかの手段として、お金をかけてしまうという方法もあります。
 
人には、損失回避の原理というものがあります。
 
損をしたくない!という性質です。
 
なので、お金という代償を払うと、その分の価値を取り戻さないといけない!と本気で思うようになるのです。
 
ダイエットに失敗しないようにお金をかけてライザップに通ったり、というのも有効ですよ。
 
 
お金じゃなくてもいいです。
自分にダメージが伴うものであったり、後戻りできなくなるようなものであればいいです。
 
自分に負荷をかけるようにすると、言い訳をすることもなくなりますよ。
 
 

まとめ

いかがでしたか?
 
セルフ・ハンディキャッピングには、言い訳をすることで自分の評価を下げないというメリットがあるように見えます。
 
しかし実際のところは、ただ責任転嫁しているやる気のない無能な奴、というレッテルを周りから貼られているのです。
 
 
そして、セルフ・ハンディキャッピングには、自分の評価を実質的に下げることはありますが、自分をよりよくすることはありません。
 
成長とかそういう観念で見たときに、セルフ・ハンディキャッピングにはなにも価値がないんです。
 
 
失敗は、恥ではありません。ただの、うまくいかなかったという結果でしかありません。
その過程を分析することで、本当の成功への道筋が見えてきますよ。
 
 
 
そして、これも大切なことだと思うのですが、
 
常日頃言い訳をしないでいると、本当にダメな時が自分でわかるようになります。
 
さらに、自分の失敗を受け入れられるようになると、客観的に自分の成功や失敗を予測することができるようになります。
 
そして、自分の予想と結果があたるようになると、客観的に自分を見れているというさらなる自信につながります。
 
言い訳はせずに、素直に自分を見ることができるようになるといいですね。