青空の下でコーヒーを

自分がわからなくなった自分ために、自分を表現するためのブログ

どうにでもなれ効果とは? 〜自己嫌悪から始まる本能の洪水現象〜

どーも!青空コーヒーです!
 
みなさんは、新しい習慣を始めようとしていますか?
 
僕はお腹周りの脂肪を減らすために、定期的な運動をしようと心がけています。
 
しかし、なかなか習慣というのは続かないものです。
 
1日サボってしまうと、もうどうでもいいやぁ、という気持ちになってしまい、なかなかお腹の脂肪は落ちません…
 
 
みなさんこういう経験があると思いますが、これは「どうにでもなれ効果」と呼ばれる、立派な心理学的な現象なんです。
 
今回はこのどうにでもなれ効果についてまとめます。
テーマは、
「どうにでもなれ効果とは? 〜自己嫌悪から始まる本能の洪水現象〜」
です!
 
 
目次
 
 

どうにでもなれ効果とは?

まずは、どうにでもなれ効果の簡単な説明から。
 
この名前こそが、なんだこれ?感が強いんですよね。笑
 
でも、論文にも使われますし、心理学ではれっきとした専門用語なんです。
 
どうにでもなれ効果は、英語ではThe What-The-Hell Effectと言われます。
 
 
このどうにでもなれ効果は、トロント大学ジェネット・ボリヴィ(janet Polivy)さんが提唱しています。
 
ダイエットについて研究しているポリヴィさんは、実験を通してどうにでもなれ効果を証明しています。
 
 
この実験では、ダイエット中の人に体重計に乗ってもらい体重を確認するというシンプルな実験ですが、その体重計には実際よりも2kg重く体重が表示されるという工夫が施されていました。
 
その体重を見たダイエット中の人は、結果としてダイエットを頑張ろうと思うよりも、逆にやけ食いに走ってしまった、というのが実験結果です。
 
 
さらに別の実験でも、ダイエット中の人は甘いものをたった一口食べてしまっただけで、やけ食いをしてしまう、ということが証明されています。
 
 
本来なら、ダイエット中なんですからやけ食いはご法度ですよね。
 
それにも関わらず、本来の目的とは真逆のことをしてしまう
 
この現象を、どうにでもなれ効果というんです。
 
誰が日本語でどうにでもなれと命名したのかはわかりませんが、センスの塊ですよね。覚えやすいですし、的確ですし。
 
 
 
このどうにでもなれ効果は、綿密な計画を立てる人に起きがちと言われます。
 
しかし、よくよく考えてみてください。
 
ダイエットしようとする人は、おそらく計画を立てる人が多いと思います。
 
だって、ダイエットしようともしない人は、そもそも計画を立てることもしませんもんね?笑
 
なので、ダイエット計画する人のなかでも、1日のスケジュールを細かく作っているような律儀な人ほど、どうにでもなれ効果が起きやすいという解釈でいる方がいいです。
 
ずぼらだけどダイエットに成功するのも、このどうにでもなれ効果が大きく影響していると考えられます。
 
 
 

なぜどうにでもなれ効果が発生するのか

それでは、なぜどうにでもなれ効果が発生してしまうのか。
これを考えて、原因を突き止めていきましょう。
 
 
小さな失敗で後ろめたくなる
まず、ダイエットが失敗に陥ったりするのは、小さな失敗がきっかけとなることが多いです。
 
人から勧められて、ついシュークリームを食べてしまった、みたいな。
 
本当に小さな出来事です。
でもそれは、それまで自分が制限していたこととは真逆の行動です。
 
そうすると、自分が設定してきたルールから脱線するので、自分に対して後ろめたくなります。
自分のことを自分で勝手に恥ずかしく思ってしまうんです。
 
 
自己嫌悪に陥る
自分を恥ずかしく思ったり、後ろめたく思ったりした次です。
 
そんな自分に対して、「あぁ、なんて自分はダメなんだ…」という風に思ってしまいます。
 
つまり、自己嫌悪に陥ってしまうんです。
 
自己批判をすることで、モチベーション低下につながり、罪悪感に苛まれ、最悪の場合はうつにつながります。
 
 
 
ダメとわかっていてもやってしまう、なんで自分はこんなにダメなんだろう、なんで自分さえもコントロールできないんだろう、と思い込んでしまうんです。
 
こうして自分に対して希望をなくし、セルフコントロールから自分を解放しようとします。
 
 
異常な方法で自制心から解放する
自分が嫌なんですから、そりゃあ自分が決めたルールも嫌に決まっています。
 
そんなの取っ払ってしまいたくなります。
 
こうして自制心を解放するのですが、それが常軌を逸脱してしまうんです。
 
つまり、リバウンド
 
 
一度自制心を解放してしまうと、なかなか歯止めをかけることができません。
 
人からもらったシュークリームも、もう一個!ともらってしまうかもしれません。
さらに、帰り際にもコンビニに寄ってしまうかもしれません。
 
悪循環にはまってしまい、どんどん悪い方向に進んでしまうんです。
 
これを端的に表すなら、まさにどうにでもなれ!ですよね。
 
 
では、なぜどうにでもなれと思ってしまうのでしょうか。
 
 
大脳新皮質を休ませるため
これに関しては、自制心のもととなる脳の大脳新皮質という部位を休ませるため、と説明することができます。
 
これに関しては、モラル・ライセンシングという別の現象に関する記事でも説明しています。
 
 
ストレス感じたら脳が報酬を求める、という感じです。
 
このモラル・ライセンシングと現象は若干異なりますが、原理的にはほぼ同じです。
 
 
大脳新皮質は、人間において特に発達した、理性的な部位です。
脳のしわくちゃしている部分です。
 
我慢できるのも、将来のことを考えることができるためであり、大脳新皮質が発達した人間の特徴とも言えます。
 
しかし、人間もやはり動物です。本能があります。
 
我慢という言葉の通り、何かを抑えているんです。
その抑えられているものこそ、本能です。
 
つまり、大脳新皮質の理性によって、本能を抑制しているんです。
 
 
 
ですが、大脳新皮質を動かすには、相当なエネルギーを必要とします。
頭を動かすために糖分が必要というのも、この大脳新皮質を動かすためです。
 
 
ずっと頭を動かすのも疲れますよね?
 
 
 
本能という言葉にも、動き出したら止まらない、というイメージがなんとなくあると思います。
 
一度抑制から外れた本能は、なかなか理性では止められません。
 
堤防が決壊した洪水のような感じでしょうか。
 
 
 
このどうにでもなれ効果、ダイエット以外にも、よくお金アルコール買い物に関しても言われます。
 
これらは、自分で自分を制限しようとする目標を立てるからこそ起こってしまうと言われます。
 
理性的なコントロールをしようとしたら、その分の反発で本能がガッと動いてしまうのですね。
 
 
all or nothing とも言われますが、まさにその通りです。
理性が働いている限りはですが、一度でもリミッターが外れてしまうとになってしまうんです。
 
 
 
 
この他にも、僕のブログでメインテーマにしている現状維持バイアスも関連しますが、モラル・ライセンシングの記事で説明してあるので、ここでは割愛します。
 
 
 
 

どうにでもなれ効果からの脱出

それでは、どのようにどうにでもなれ効果から脱出すればよいのでしょうか。
 
ポイントは3つ。
  • 自己嫌悪に陥らない
  • 理性を取り戻す
  • 本能的な制御をする
これに限ります。
 
自己嫌悪に陥らない
まずは、一度の失敗だけで自己嫌悪に陥らないことです。
 
さっきのシュークリームの例ですが、それではシュークリームを持ってきた側の立場になってください。
 
ダイエット中の友達が、私はいらないと言っているとしましょう。
あなたはどう思いますか?
 
「そんなシュークリーム1個で変わらないでしょ〜笑」
 
そうは思いませんか?
 
他人のことになると、なぜか急に甘くなるんですよね。
 
 
 
でも、そんなもんだと思います。
 
誰にでも、甘えたくなったりすることがあると思います。
計画通りにいかないことは、必ずあります。
人間ですから、誰でもミスをします。
 
ですから、たった一度だけの失敗で、自分はダメなやつという認識をしてはいけません。
 
自分を客観的に見たら、絶対にそんなことは思いません。
 
ましてや、人間は動物です。
よくそこまで本能を抑えることができているな!と褒めることができるくらいには、自分を理性でコントロールできていると思いますよ。
 
 
 
もし自己嫌悪に陥りそうになったら、ぜひ他人にアドバイスを求めてみてください。
 
他人であれば、感情なしで事実を客観的に捉えてくれます。
 
 
事実を客観的に捉えることができるようになれば、失敗の原因を理性的に考えることができるようになります。
 
 
 
まずは、自分を責めるのではなくて、自分を許してあげることから始めてみましょう。
 
人間って、そんなに強い生き物じゃないですよ。
 
 
理性を取り戻す
一度の失敗をしたけれども、自己嫌悪に陥らなかった。
その次は、失敗を繰り返さないことが大切になります。
 
つまり、コントロールしていた理性を取り戻すことです。
 
スポーツや瞑想の世界でも、よく言われます。
集中力は、持続できるかどうかが問題ではなく、集中力が切れたときにいかに元どおりにするかが大事なんです。
 
それくらい、理性を取り戻すということは高次の行動なんです。維持することよりも圧倒的に難しいんです。
 
 
理性を取り戻すための方法としてよく言われるのが、長期的な目標を作ることです。
 
短期的に綿密な計画を立てていると、どうしても一度の失敗から立て直すのが難しくなってしまいます。
 
それよりも、もっと長期的に見た方が、理性的に物事を判断しやすいんです。
 
本能は、目の前のシュークリームのことしか考えていません。
 
ですから、明日、明後日、来月、と長い目で見ることが理性を取り戻すことにつながるんです。
 
 
失敗してしまうのは仕方ないと理解できたのであれば、次は失敗から立ち上がることを意識してください。
 
 
 
本能的な制御をする
一見すると矛盾した言葉のように見えます。
 
僕が言いたいのは、本能に沿った理性的制御をするということです。
 
 
 
簡単な例を出します。
 
「今からシロクマのことは考えてはいけません」
という簡単なテストです。
 
そう言われてしまうと、なぜかシロクマのことを考えてしまうんですよね。
 
白くて大きくて、かなり獰猛で、雪の中をのうのうと歩く姿、旭山動物園でダイブしている姿…
 
 
やめるという制御的な行動は、理性的な行動です。
 
 
こんなときはよく、代替行動をしろ、と言われるんですが、そういうサイトは具体的な話をしていません。
 
 
 
 
僕はこの代替行動を、本能に沿った行動を理性的に制御すれば解決すると思っています。
 
例としては、ダイエットした日を数える、野菜を1kg食べた日を数える、という獲得の行動です。
 
本能と獲得という言葉は、かなり密接な関係があります。
なんとなくおわかりいただけるかと思います。
 
禁酒の日を数える、は少しおしいですね。元となる行動が禁止するとなっているので、獲得とは言い難いです。
 
それなら、シラフの日を数える、とした方が獲得の意味合いが強くなります。
 
 
 
新しい習慣を始めるときは、大抵の場合なにかをやめることがほとんどだと思います。
 
 
そのとき、制御中心で考えるのではなく、自分が心の底から無意識的にでもやりたくなるような、そういう本能的な行動になるように、理性的に制御するということを考えてみてください。
 
 
 

まとめ

いかがでしたか?
 
どうにでもなれ効果は、理性的に本能を抑制しているために起こってしまいます。
 
ですが、それは動物として仕方ありません。
 
失敗してしまう自分を認めて許してあげることから始めてみましょう。
 
そして、本能的にしたくなるような行動を取るように心がけてみてください。
 
それでは!