青空の下でコーヒーを

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SPIN話法とは? 〜お客様の潜在ニーズを言語化させよ!〜

どーも!青空コーヒーです!
 
みなさんは、どうやって相手に自分の商品を売っていますか?
 
営業というのは、人間関係が非常に複雑に入り組んでできた、心理学の宝庫だと僕は思います。
 
価値観の違う人間同士で、価値交換をしようとしているんですから、面白いですよね。
 
 
今回は、そんな営業の場面でよく使われる、SPIN話法という営業手法についてまとめていきます。
 
SPIN話法を身につけると、お客様主体の営業ができるようになり、勝手にモノが売れるようになるかもしれませんよ!
 
テーマは、
「SPIN話法とは? 〜お客様の潜在ニーズを言語化させよ!〜」
です!
 
 
 
目次
 
 

SPIN話法とは?

まずは言葉自体の説明から。
 
SPIN話法とは、イギリスの行動心理学者であるニール・ラッカムさんが、営業マンの行動を統計分析して開発した営業法のことです。
 
ラッカムさんが1995年に本を出版しているのですが、それから反響が大きくなったそうです。
そんなに昔でもないですね。しかも今でも使える手法ですし、逆に今こそ使うべき手法かもしれません。
 
 
 
このSPIN話法は、S,P,I,N、それぞれの頭文字から取ってできており、その順番通りに話を進めることで、大型の商談がうまくいくと言われています。
 
状況質問 (Situation Questions)
問題質問 (Problem Questions)
示唆質問 (Implication Questions)
解決質問 (Need-payoff Questions)
 
これら4つの質問を上手に組み合わせることで、お客様に商品やサービスが必要であると思わせて、成約に繋がるのです。
 
 
 
なぜSPIN話法がいいのかは、まとめの手前でまとめます。
まずは、SPIN話法について説明していきます。
 
 
 
 
 

状況質問 Situation Questions

まずは、最初のSから。
 
Situation Questions、そのまま状況質問です。
 
意味もそのまま、相手の状況を把握するための質問です。
 
「現在御社は、〇〇な状況ですよね?」
 
お客様の現状を的確に把握することが大切です。
相手の現在だけでなく、過去や未来も知る必要があります。
将来自分たちのサービスを提供するのであれば、お客様の過去や現在の延長線上にそのサービスがなければ、お客様も受け入れません。
 
 
ここで重要なポイントが、いくつかあります。
 
お客様の情報を把握しておく
まずは、お客様の情報をたくさん掴みましょう。
 
「御社はどのようなお客様と取引していらっしゃいましたか?」
「営業所はどちらにございますでしょうか?」
 
などの質問は、不適です。
現状という意味では当てはまりますが、相手に聞かなくてもわかることは、自分たちで調べて把握しましょう。
 
 
そうでないと、基礎的なことを聞かれた相手からしてみると、
「取引先なんてネットに上がってるだろ」
「営業所も調べてくれない会社なんて、不安だよ…」
 
という感じで、お客様に不信感を抱かせてしまいます。
 
ポイントは、企業ではなく、話し相手個人に興味を持つことです。
取引するのは企業対企業でしょうが、話しているのは、決断するのは、その話し相手のはずです。
 
話し相手が現状をどのように把握しているのか、話し相手しか知らない情報はないか。
 
このあたりを聞くようにしましょう。
 
 
 
前置きをする
いきなり現状質問をしても、失礼に当たってしまいます。
 
ビジネスでは、「恐れ入りますが〜」のような、前置きとなる枕詞が非常に大切です
 
例えば、
「いくつか確認したいのですが、よろしいでしょうか」
という前置きを、現状質問の前に必ずしましょう。
 
 
お客様に話してもらう
SPIN話法全般で大切なことですが、相手に話してもらうのが重要です。
 
相手に語ってもらうことで、相手が相手自身の言葉に責任を持つようになり、自覚するようになり、商談が成功に向かいます。
 
商品サービスを売りたい気持ちは山々ですがそれは抑えて、自分が話すのではなく、あえて質問するだけにとどめましょう。
 
 
質問の数を絞る
これも大事。
 
質問の数は少なめに絞りましょう。
 
大切なのはこの後のPとIです。
お客様の課題、そして潜在的なニーズをつかむことが大切です。
 
あれよあれよと質問を矢継ぎ早にしても、話が広がりすぎてしまうだけです。
 
 
 

問題質問 Problem Questions

続いて、問題質問です。
 
相手がどのような問題や不満を抱えているかを聞き出すための質問です。
 
「それでは、〇〇についてはどのような不安を感じていらっしゃいますか?」
「〇〇について、不安には感じていますでしょうか?」
 
お客様自身に問題について話させることで、自身のニーズを自覚させる段階です。
 
 
ここでも、ポイントをまとめます。
 
クローズドとオープンを使い分ける
クローズドクエスチョンとは、YesかNoで答えられる質問です。
オープンクエスチョンとは、5W1Hを使った質問です。
 
上記2つの例でいうと、上がHowを使ったオープンクエスチョンで、下がクローズドクエスチョンです。
 
 
 
SPIN話法に関するサイトの多くは、オープンクエスチョンを使ってお客様自身に何が問題かを考えさせることが、より自身に問題点を認識させることにつながるとしています。
 
 
しかし、オープンだと答えにくい部分があるのも事実ですし、そもそもは潜在的ニーズに働きかけようとしているので、お客様が明確に問題を認識していない場合も多々あります。
そんな時に考えさせようとしても、頭がこんがらがってしまうだけです。お客様からしたら、この人は自分をよくわからなくさせようとしているだけだ、とも捉えかねません。
 
 
 
大切なのは、状況によって使い分けることだと思います。
 
サービスを売りたいこちら側には、サービスを売るために用意した、ある程度のレールがあると思います。
 
まずは、お客様をクローズドクエスチョンで誘導して、こちらがいくら考えても不明瞭だし仮定で進めてはいけないような場面に関しては、オープンクエスチョンを使う。
 
お客様に全てを考えてもらうのではなく、こちらがある程度レールを用意してあげることで、お客様からしても「あぁこの人は自分のことをわかってくれる人だな」と思わせることができます。
 
 
相手の不を探す
質問するときは、何が不明瞭で、何が潜在的ニーズなのかを把握する必要があります。
 
そのためには、お客様の「不」を探すといいとされています。
例えば、不安、不平、不満、不足、不良、不完全、不信、などです。
 
相手が不と思っているところには、相手が満足していない以上、なにかしらの活路があるはずです。
 
 
 
一般的な話や事例を使う
話を引き出すためには、日本人っぽい手法を用いることが大切です。
 
日本人は、相手もしていることに関しては、自分もいいや!と同調したくなるのです。
 
 
そのため、「別のお客様は既に使っている」、「一般的にはもうすでに流行っている」、などの通販番組系の文句を言うことで、大きな効果を生みます。
 
 
 

示唆質問 Implication Questions

状況質問、示唆質問、続くのが示唆質問です。
 
示唆という言葉も一番わかりづらいですが、この示唆質問こそがSPIN話法でもっとも重要な質問になります。
 
問題質問でお客様が答えた問題に対して、それがどれくらい深刻なのかを、より深掘りすることで顕在化させるのです。
 
「〇〇がうまくいってなかったら、△△もうまくいかないですよね?」
「〇〇がうまくいっていなければ、××の調子はどうでしょうか?」
 
 
ここは重要なのですが、深掘りすることが重要です。
問題点を自分の中で完結させるのではなく、それが他者にも大きく影響してくるということを伝えるなど、その問題点のインパクトの大きさを把握してもらうことも大切です。
 
そして、深掘りがうまくいかないと感じたら、以下の項目で深掘りをしてみてください。
 
時間的問題 (納期、間に合わない、お客様に迷惑がかかる)
労力的問題 (無駄な仕事、人材足りない、優秀な部下が流出)
経費的問題 (コストが高い、無駄な出費)
責任問題 (担当者、意思決定者、会社)
信頼関係 (契約、迷惑、ブランド、顧客との信頼)
 
 
 
 

解決質問 Need-payoff Questions

最後に、今までの状況、問題、示唆を踏まえた上での、解決質問です。
 
お客様自身に解決後のイメージをさせて、話してもらうのです。
 
「〇〇すれば、△△が解決する、ということですよね?」
 
 
ここで大切なのは、まだこちらから提案しないこと、これに尽きます。
 
もう少しだけ我慢して、お客様に課題解決後の将来をイメージさせて、よい状態にしてから、心地よくなって、その良いイメージのためなら頑張るぞ!という状態にしてから、自身の商品サービスを適合させるのです。
 
 
ですから、潜在化されていたお客様自身のニーズは、お客様自身に顕在化させる必要があるのです。
 
そうすることで、お客様は解決に向けて積極的になります。
つまり、そのためなら、商品サービスも受け入れやすくなるのです。
 
 
 

SPIN話法のポイント

それでは、SPIN話法全体通してのポイントをまとめます。
 
 
お客様自身に話してもらう
何度か上に書いてある段階で話しましたが、大切なのはお客様自身に話してもらうことです。
 
お客様自身が話すことで、初めてお客様の潜在的なニーズを明確にすることができます。
 
 
 
よくある営業マンの悩みで、
 
「お客様が何を求めているのか、わからない」
「お客様が自分の話を受け入れてくれない、聞いてくれない」
 
というのがあります。結果として、営業成績もあがりません。
 
 
これは、お客様のニーズをちゃんと聞いていないからです。
自分のサービスを推しているばっかりだと、うまくはいきません。
 
押してダメなら、引きましょう。
ちゃんとお客様の声に耳を傾けましょう。
 
 
 
 
言語化してもらう
お客様に話してもらうことがなぜ大切かといえば、言語化してもらうためです。
 
言語化することがなぜ大切かは、別記事にも一応書いてはあるのですが、
 
言葉というのは、非常に優秀な共通言語です。
 
考えているだけ、イメージしているだけだと、それを共有することはできません。
 
ですが、それを形にしたりすると、可視化できて、一緒に同じものを見ることができるので、共有することができます。
 
 
 
言葉も同じ。それが口なら耳で、文字なら目での伝達というだけです。
 
そして、言葉にすることで、言葉にした本人がその言葉を発したことになるので、言葉自体に責任が発生します。
それがとても大切なんです。
 
自分がこういう課題があると言ったんだから、それは自分が認識していないとおかしいし、自分が背負う課題であるということを認めることになります。
 
それならば、自分の問題なのですから、解決もしたくなります。
 
そして、自分が描きたい将来を言葉にしたら、その言葉の責任をもち、なんとかその将来を手にしたくなります。
 
 
 
思っているだけなら簡単です。
 
しかし、言葉にするのは、誰か相手がいないとなかなかできません。
日記で自分だけで処理する言葉と会話は、わけが違います。
 
言葉にして、潜在化している課題を言語化させる、それを手伝うことだけでも営業には価値がありますよ。
 
商品を売るための価値が営業だと思っているのであれば、それは大きな勘違いです。
 
 
 
つまり、重要なのはヒアリング力
 
だって、仕事をしているのは、誰のためですか?
 
お金がもらえるから自分のため、それはもちろんそうです。
自分が所属している会社のため、売り上げを上げるためならそうです。
 
しかし、なによりも大切なのは、お金を自分に対して払ってくれるお客様ですよね?
 
お客様からいただくだけの対価を提供できなければ、それはビジネスではありません。
 
 
そして、営業にとって与えることができる価値は、本当にその商品サービスだけでしょうか。
 
それは、他の会社にいっても通じるものでしょうか。
 
 
 
営業マンにとって一番大切なスキルは、ヒアリング能力です。
 
そして、SPIN話法は、お客様の潜在的なニーズを引き出すための、ヒアリングのフレームワークです。
 
つまり何が言いたいかというと、営業マンはSPIN話法を身につけましょうということです。笑
 
 
営業においてよくあるのがプレゼンですが、自分たちの商品サービスについて話すだけでは、それは商談はなり得ません。
 
まず対話をしましょう。そして対話をするためには、お客様の抱える課題を知ることからです。
そのためのSPIN話法です。
 
 
 
先ほども言いましたが、潜在化している課題を言語化させる、それを手伝うことだけでも営業には価値があります。
 
それに合わせて、SPIN話法によってお客様が求めるニーズがわかれば、お客様の立場に沿った提案をすることができますよ。
 
 
 
例えば、自社の商品サービスは、お客様の本当のニーズがわかるまでは絶対に説明しないという制約をつけるのもありですね。
 
とにかくヒアリングをすること、それが大切です。
 
 
ステップを踏むこと
SPIN話法で大切なのは、ステップを踏むことです。
 
SPINの順で丁寧に進めることで、しっかりとニーズを掘り下げることが大切です。
 
いきなり提案したり商品サービスを勧めないためにも、ステップを踏むことが大切です。
 
 
小型な商談なら、順番を変えてもいい
ただし、SPIN話法が適応されるのは、高付加価値の商談です。もとがそういう大きな商談における統計なので。
 
ですから、もっと小さい商談であれば、それはSPIN話法でなくてもいいです。
 
小型商談の場合は、順番も変わりますし、訪問回数も少なく、時間も短いはずです。その中でクロージングをしなければいけません。
 
それなのに、SPIN話法だ!と言ってゆっくり話しても、正直くどいですよね。
 
 
 
それならいっそのこと、ざっくりした課題を聞いて、解決策として自社の商品サービスが適しているのかを聞いてみるのもありです。
 
 
早めに見切りをつける
先の小型商談の件と同じですが、早めに見切りをつけるのも大切です。
 
お客様のニーズがなによりも大切ですが、そればかりに気をとられていても、自分たちの他のお客様への営業もあります。
 
いつまでも1人のお客様に固執していては、自分たちの首をどんどん締めることにもなります。
 
 
 
営業する側としても、いいお客様とたくさん取引したいですよね。
 
そして、いいお客様と出会う確率を増やすには、営業の回数を増やさないといけません。
 
 
そのためにも、固執しすぎるのではなく、いさぎよく諦めることも大切ですよ。
 
「諦める」じゃなくて、「明らめる」ですけど!
 
 

まとめ

いかがでしたか?
 
お客様の視点から考えれば、自分たちが本当に必要かどうかもわからないうちに商品やサービスの説明をされても、うんざりするだけです。
 
営業で必要な過程は、相手を理解して、相手に寄り添って、伝えることです。
 
そのために営業マンにとって大切なのは、ヒアリング能力です。
そのフレームワークとして、SPIN話法があります。
 
 
 
お客様にとっては、話を聞いてくれたことは、自分たちにとって本当に解決すべきことを気づかせてくれたということになり、その機会を提供してくれた営業マンには、とてつもない信頼感をよせるのです。
 
そんな、お客様から頼りにされる存在になれるように、SPIN話法をぜひ取り入れてみてください。
 
それでは!