青空の下でコーヒーを

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トリクルダウンとは? 〜富は下がってくるのを待つだけでいいの?〜

どーも!青空コーヒーです!
 
みなさんは、よく物を買う方ですか?
 
僕はけっこうお金は使ってしまう派です。よく物も買います。
お金を貯めて、将来に備えるというのもわかるんですけど、僕は手前の欲望も求めたくなります。笑
 
(なので、積立投信とかで自動的に強制的に、お金を貯めるようにはしているのですが…)
 
 
 
ともかく、僕がお金を使うのは、良いと思ったものにはお金を出して、経済を回そうと思っているからです。
 
小さい単位ですが、お金はそこにあるだけでは意味をなしません。お金は価値を表すものです。価値と価値が交換される、つまりお金を使って商品やサービスを得ることをしない限り、お金は価値として意味をなしません。
 
 
そういう経済を回すということが、いまの時代には必要です。しかしアベノミクスでは、果たしてそれができているのかという疑問が世の中にはある、それも現状です。
 
そんな現状を語るには、トリクルダウンという言葉が必須になってきます。なので今回は、このトリクルダウンについてまとめてみようと思います。
 
テーマは
「トリクルダウンとは? 〜富は下がってくるのを待つだけでいいの?〜」
です!
 
 
 
目次
 
 
 

トリクルダウンとは?

まず、言葉の説明からです。
 
trickle downとは、浸透したたり落ちるという意味の英語です。
重要なのは、「自然に」という意味が入っていることです。
 
辞典での定義もこんな感じです。
 
富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透する、という考え方。
富裕層や大企業を優遇する政策をとって経済活動を活性化させれば、富が低所得者層に向かって流れ落ち、国民全体の利益になる、とする。レーガンレーガノミクス鄧小平先富論などが典型。
 
簡単にいうと、「金持ちが儲かると、自然と貧乏も儲かる」ってことです
 
 
トリクルダウンという考え方は、1714年にバーナード・デ・マンデヴィルという人が書いた「蜂の寓話:私悪すなわち公益」という本が発想の原点のようです。
 
私悪が公益になるというのが主旨です。私悪、つまり利己心に基づいた行動が、結果的には全体に利益をもたらすという考え方です。
 
この考え方は、新自由主義、自由放任主義や古典派経済学にも大きく影響していきます。
 
 
 
またトリクルダウンという言葉は、トリクルダウン理論という言葉で使われることが多いです。
 
もちろん日本政府も、そういう経済学を学んだ政治家によって構成されているので、影響は大いにあります。主には、減税による活性化を狙って、トリクルダウン理論を使います。
 
所得税最高税率を引き下げるために、その根拠としてトリクルダウンを使ったりします。
 
大企業の成長が、いずれは中小企業に波及する。
東京や大阪などの都市の成長が、地方に波及する。
 
これが日本におけるトリクルダウンの考え方です。
 
 
 
はたして、本当にそれでよいのでしょうか?
 
トリクルダウン、本当に自然としたたり落ちてくるものなのでしょうか?
 
 

トリクルダウンでいいのか?

先ほどの、大企業や東京の成長が、中小企業や地方に波及するという考え方を否定しているのは、石破元幹事長です。
自民党内でも考え方はかなり割れているようですね。
 
安倍総理としては、トリクルダウンという考え方を基にしていたため、自分が間違っていたなんて口が裂けても言えないから、「アベノミクスはトリクルダウンを狙ったものではない」としか弁明できないというわけです。
 
 
トリクルダウンの前提
とにかく、トリクルダウンには2つ前提があるようです。
 
1. 富めるものが得た富が、いずれ使用されること
2. 富によって充足される欲求には限界があること
 
 
つまり、お金持ちが富に飽きて、寄付なり、とにかく散財されない限り、トリクルダウンは発生しないということです。
 
この前提も僕はどうなんだろうと思いますけどね…
 
 
 
お金持ちを特集した番組って、けっこうあると思います。
何億円もの豪邸だったり、スポーツカーだらけの車庫に、部屋ほどのクローゼットとか。
 
僕はお金持ちでもなく、めっちゃ貧乏でもない、本当に中くらいの層だと思っているのですが、お金の欲が満たされることってあるのでしょうか。
 
 
 
お金の欲に限界値があるということ、それは世界でも国内でも定義することはできません。人それぞれの価値観によって決まるものですから。
 
しかし、お金持ちになったら、「周りよりもお金持ちになりたい!」という欲求にかられるのではないでしょうか?
 
お金持ちになったら、おそらく人付き合いもお金持ちの人だらけになります。じゃないと趣味が合わないので。
 
そうなると、より高みが近くにいるわけですよね。
お金持ちなんて負けず嫌いがほとんどですから、高みを目指したい欲が止まることはないんだと、僕は思います。
 
 
そして、そういう一人一人の考え方から、トリクルダウンが発生しない世の中になっているのではないでしょうか。
 
 
 
経済単位が大きくなると通用しない
トリクルダウンが効果を発揮しないのは、現在がトリクルダウンが起こりにくい時代になっているから、というのも理由の一つになります。
 
もともとトリクルダウンの考え方が生まれたのは、1714年です。
その時代、果たしてコンピューターはありましたでしょうか。スマホなんて存在もしない世界です。
 
 
 
現代の経済活動、近代国家を構成する経済構造というのは、昔よりももっと複雑化しています。
この、時代経過による変化というのが前提から抜け落ちていること、それがトリクルダウンにおける一番の欠陥なんだと思います。
 
 
もっと昔なら、国として成長するには、先頭に立っている人たち、つまり富裕層がさらに裕福になることで、国自体が裕福になって、自然と貧困層にも富が回ってくるため、経済が良くなることは発生したかもしれません。
 
 
しかし、いまは先進国としての日本です。人口も増えていますし、科学技術のおかげで、経済も当時とは比べものにならないくらい発展しています。
 
規模が大きくなりすぎた国家レベルでは、「国全体での富の拡大=富裕層の所得増加」という方程式は、成り立たなくなってしまったのです。
 
 
 
それでもトリクルダウンを進めたら、どうなるでしょうか?
 
自然としたたり落ちない富は、先進国や富裕層で止まってしまうのです。
それは先ほども言及したように、欲に限界がないという心理的な要素です。さらに高みを目指したくなっているからです。
 
富裕層には富が入るけど、貧困層には富が回ってこない。
これが意味することは、格差拡大です。
 
 
 
では、時代が経過することで変わってしまったこととは、なんでしょうか。トリクルダウンの前提が崩れることになった原因は、なんでしょうか。
 
 
それは、富裕層と貧困層の間に中間層ができたことです。
正規分布的に考えたら、偏差値50みたいな、中間層が一番分布として多くなるのは自然の摂理です。
 
人口が増えたり、国や経済単位として規模が大きくなると、中間層が一番大きなウェイトを占めることになります。
 
 
 
では、経済を回すのは、富裕層でしょうか?
 
答えは、規模が大きい中間層です。
 
中間層を中心とした、いわゆる一般大衆の消費こそが、経済を回すのに一番影響を及ぼします。
 
 
それなのに、世界の一握りの人たちで、世界の数十%の富を所有していたら、一般大衆がお金を使って経済を回すことができるでしょうか?
 
 
富裕層が富を蓄えて、中間層には「自然と」富は回らず、格差は広がるばかり。これがトリクルダウン理論が起こらない現実です。
 
そのため、現実として起こらないトリクルダウン理論は、トリクルダウン仮説として呼ばれてしまっています。
 
 
 
大企業の肥溜め
トリクルダウン仮説の基本的な構造は、アベノミクスも同じです。
 
アベノミクスで大きく取り上げられていることの1つに、賃上げがあります。
大企業に対して、賃上げを要求している安倍総理の姿、テレビなどで見たことある方も多いと思います。
 
 
まず大企業が儲かって、大企業に勤めている社員も裕福になって、下請け企業にも利益が分配されて、みんなで経済を回していき、自然とみんなに富が回る。
 
さて、お金の流れが止まっているのは、どこでしょうか。
 
 
 
賃上げ自体は、たしかに行われています。
 
しかし、下請けに利益が分配されていないのが現状です。
 
実際、大企業の中で利益を肥溜めする内部留保が増加していることがあげられます。
 
「より企業として発展していきたい」、そういう私利私欲で止まってしまい、中小企業などの下請けに利益が自然と回っていないのが現状です。
 
 

トリクルダウンからの脱出

では、どうしたらトリクルダウンから脱出して、皆に富が回るようになるのでしょうか。
 
トリクルアップにシフトチェンジ
答えは簡単です。下に自然とは降りてこないのですから、強制的に下に富が回るような、トリクルアップに考え方を変えていかないといけません。
(トリクルがしたたる的ないみがあるので、トリクルアップという言葉もおかしいんですけどね。笑)
 
どっちかというと、トップダウンよりもボトムアップ、てきな考え方が近いのではないでしょうか。
 
 
富裕層に富が回っても、そこで富が止まってしまう。
なら、中間層に富が回るようにすればいい。
 
至極当たり前の考え方ですよね。
 
 
簡単な例をあげるとするならば、2つです。
・中間層に利益分配をして、分厚い中間層の消費を拡大させる
・子供や若い世代への投資や利益分配の割合を大きくして、中間層から富裕層へステップアップする割合を大きくする
 
もちろん、一般人の僕が思うくらいですから、非常に陳腐な考え方だとは思います。
 
 
トリクルアップを阻む壁
なぜトリクルアップのようなことが起こらないのでしょうか。
 
まぁいくつか理由は考えられますが、
・官僚や閣僚は国の成績ファーストで考えるから、国の成績を底支えする大企業に肩入れしがち
・富裕層を飛ばして中間層に利益分配すると、富裕層(=大企業)からの反発が強い
・中間層に利益分配したところで、一般大衆の消費拡大になるかは未知
とか、いろいろありそうです。
 
 
そういう政治的な側面が強いために、強制的なトリクルアップのような考え方はなかなか現実味がないようです。
 
 
インターネットがトリクルアップを実現する?
でも、最近は希望が見え始めたような気がします。個人的には。
 
最近は、副業で生計を立てる人とか、ネット収入で生きていくノマドワーカーとかが増えてきましたよね。
 
今まではトップダウンでしかできなかったことが、ネット関係の科学技術が発展してきたことで、メルカリのようないわゆるC2Cビジネスが活発になってきました。
 
クラウドファウンディングとか、これからそういうビジネスモデルがもっと出てきそうですよね。
 
こういう政府や国の指針(私信)にとらわれないビジネスなら、中間層の中でビジネスを回すことができます。それに、大企業のファンドが資金を投じてくれるかもしれません。
 
 
上から富が落ちてくるのを待つだけではなくて、中間層が自ら富を生み出していく。それが進むようになれば、おそらく国全体の成長につながるのではないでしょうか。
 
 
 

まとめ

いかがでしたか?
あんまり経済系の記事は書いたことがないのですが、自分でも意外と考えるのを楽しみながら書けたかなと思います。
 
お金持ちになりたい!と考えているのであれば、お金が舞い降りてくるのを待っているだけではダメです。
 
中間層である私たちが、自らお金を生み出していくことができる。そんな環境はもうすでに整いつつあります。あとは、皆さんの知恵をフル回転させるのみ!リスクとコストは多少覚悟しないといけませんが!
 
なにか行動を起こしていくように心がけてみては、いかがでしょうか?
 
それでは!