青空の下でコーヒーを

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ドブネックの桶・樽の理論とは? 〜スパイク型人間と桶型人間について〜

どーも!青空コーヒーです!
 
みなさんは、人をいいところで評価しますか?
それとも、悪いところで評価しますか?
 
これはけっこう意見が分かれるところなんです。
個性が豊かだから、それを活かすようにするのか。
それとも特別じゃなくてもいいから、バランスのいい人を評価するのか。
 
 
この議論をするのに、樽の理論といういいモデルがあります。
また、樽の理論を話す上では、リービッヒの最小律ドブネックの桶という言葉も出てきます。
 
そこで今回は、樽の理論を中心に、人の良し悪しの判断という部分までまとめていこうと思います。
 
テーマは、
「ドブネックの桶・樽の理論とは? 〜スパイク型人間と桶型人間について〜」
です!
 
 
目次
 
 

リービッヒの最小律とは?

まず、リービッヒの最小律から説明していきます。
 
というのも、樽の理論・ドブネックの桶とは、このリービッヒの最小律から生まれた理論だからです。
 
 
 
リービッヒとは、人の名前です。19世紀のドイツの化学者である、ユストゥス・フォン・リービッヒという方の名前に由来します。
 
少し勉強したことがある人なら、リービッヒという名前は聞いたことがあるかもしれません。
 
 
化学者という通り、化学で使われる「リービッヒ冷却器」を発明した人と同じ人です。リービッヒ冷却器は、蒸留の実験とかで使われる器具です。使い方の注意は、ゴム管をしっかり密着させることと、水道水を下から上に流すようにすることです。
 
 
 
...そんな話は置いておいて笑
 
そんなリービッヒさんが提唱したのがリービッヒの最小律ですが、「植物の生長速度や収穫量は、必要とされる栄養素のうち、最も少ないものに影響される」という理論です。
 
植物の栄養源は、ビタミンやミネラルなどの無機物です。
 
特に、窒素、リン酸、カリウム、この3要素です。
 
この3つのうち、例えばカリウムだけ必要量の半分しかないと、いくら窒素やリン酸をたくさん摂取していても、半分のカリウムが働く効果までしか影響が及ばないということです。
 
 
この、「どれか一つでも欠けていたら、全体のレベルが下がる」という本質が、いろんな理論に使われるのです。
 
 
 

樽の理論・ドブネックの桶とは?

このリービッヒの最小律から派生してできたモデルが、樽の理論ドブネックの桶です。
 
樽なのか、桶なのか、正直どっちでもいいです。話は同じです。笑
 
 
ちなみにドブネックは、20世紀初頭のドイツ人、ドブネックという方に由来するそうです。
 
あくまでもリービッヒの最小律をモデル化したものだと捉えてください。言っていることは同じです。
 
 
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画像を拝借しました。一番わかりやすい図でした。
 
 
 
ワインが入っている樽を想像してください。
 
もしくは、銭湯とかにある木でできた桶を想像してください。
 
中にワインや温泉が入っていると思います。
 
樽や桶は、木の板が10枚ほど貼り合わせてできていますよね。
 
もしその1枚だけ、板の高さが低かったら、どうなるでしょう?
 
 
その低い1枚の高さ以上には、液体は溜まりません。
これって、リービッヒの最小律と同じことですよね。
 
なので、樽の理論やドブネックの桶は、リービッヒの最小律をわかりやすくモデル化したものと考えれば大丈夫です。
 
 
 
そして、この樽の理論は、主に人の栄養吸収に適用される理論です。
 
人には、ミネラルやアミノ酸が生きていく上では必要となります。
 
ミネラルは、植物と同じような理論です。ただし、もう少し必要となるミネラルが多くなります。
たとえ他のミネラルをたくさん摂取していても、マグネシウムだけが少なくなっていると、樽から栄養素が溢れ出てしまうのです。
 
また、人には必須アミノ酸というのがありますが、これは体内で生成できないアミノ酸のため、食品から摂取しないといけません。ですから、必須アミノ酸のうち1種類だけ足りなくなるということが起きがちです。
 
そうなると、その低い必須アミノ酸が基準となってしまうわけです。
 
 
 
 

人材評価に使われる樽理論

先ほども言ったように、リービッヒの最小律は植物分野で用いられていますが、樽の理論・ドブネックの桶としてモデル化されて人間の栄養バランスにも適用されています。
 
そして、「どれか一つでも欠けていたら、全体のレベルが下がる」という本質は、人個人の能力や、人事評価、さらには企業経営にまでも樽の理論が適用されます。
 
 
個人の能力で言えば、個性がある人は1枚の板がめちゃくちゃ高いということです。
 
しかし、他の能力がどれだけ高くても、ある能力レベルが低ければ、その人全体としての能力はその低い能力で評価されてしまう、ということです。
 
 
 
 
情報セキュリティにも同じことは言えます。あらゆる対策をしていても、一箇所でも脆弱性がある部分があると、そこから攻撃されてしまうのです。
取引先に1つでもリスク管理が甘い会社があると、その会社の影響が全体に派生してしまうのです。
 
 
企業内での人事的な部分で言えば、他の意識高く優秀な社員がどれだけ頑張ったとしても、一番意識が低く能力レベルも低い社員で企業レベルが決まってしまうのです。
 
 
 
このように、樽の理論で人事評価や企業の評価がされることがあります。
ワインがその人のレベルや、会社の将来性を表すということです。
 
 
 

スパイク型人間か、桶型人間か

樽だと樽の理論となってしまうので、人で例えるときは桶型人間としておきます。
 
リービッヒの最小律を前提とした桶型人間から言えることは、「何か一つだけ秀でている一点豪華主義ではいけない」ということです。
 
能力がなにか悪ければ、それゆえに問題児であると言われたり、あまり関わらないようにされてしまいます。
 
 
 
一方、先ほど言ったように、個性がある人は1枚の板がめちゃくちゃ高いということになります。この高い1枚板を「スパイク」と言ったりもします。
 
一番の個性は、自分の強みと言えます。強みを活かせば、自分のオリジナルということなわけなので、生きるのもワクワクしますし、やる気に満ち溢れます。
 
 
しかし、出る杭は打たれるという言葉もあります。
それはおそらく、一つは飛びっきりの個性があるのにも関わらず、他の能力があまりにもレベルが低いというところで叩かれるのでしょうか。
 
 
とにかく、人を一番高い板で評価するのか、一番低い板で評価するのか。
 
スパイクで評価するのか、足手まといの能力で評価するのか。
 
強みで評価するのか、弱みで評価するのか。
 
これは議論になりそうですね。
 
 
 
僕の意見としては、まずリービッヒの最小律で比べるのがおかしいのかなと思います。
 
人をバランス型で評価するのであれば、間違いなく桶型人間を良いという軸で評価すればいいです。
 
しかし、バランス型で評価しない場合は、それこそスパイク型人間だとして、そのスパイクが求める人物に合うのかどうかという点が重要になります。
 
同じ比べ方なんて、できるはずないんですよね。そもそも。
 
 
 
その上で僕は、その環境で求められる最小限の板の高さを確保した上で、あとは1枚の板だけに集中して高くしていくのがいいのかなと思います。
 
求められる最低限の板は、環境によって異なると思います。バイトだとして、看板を持って立っているだけのバイトと、超一流ホテルでエレベーター前で立っているだけのバイト。同じ立っているだけのバイトだとしても、環境が違えば、求められる能力も変わりますよね?
 
なので、環境によって求められる最小限の板は変わるはずです。そして、最小限の板の高さがないと、その環境では認められないはずです。
 
逆に言えば、最低限の板の高ささえ全ての能力で持っていれば、あとはどれか1つだけの板を伸ばす方が良いはずです。
 
「あれのことなら、Aくんが一番知ってるよ」という存在になればいいんです。
 
 
プレゼンのことなら、エクセルのことなら、株価のことなら、英語のことなら…
 
なんでもいいと思います。むしろ、そいういう時代ですからね。
 
99人の壁、マツコの知らない世界、そういう番組では何か一つだけ飛び抜けていると注目されますよね。
 
 
いまは個性が認められる時代になってきています。
ですが、最低限のコンプラ的なことは厳しくなってもいます。
 
まずはその環境に合わせてにはなりますが、最低限の能力は担保した上で、何か1つだけその環境の中で一番になること。これが今の時代にあった生き方なのではないでしょうか。
 
 
 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
 
リービッヒの最小律に追加情報です。
 
当時は窒素、リン酸、カリウムの3要素で考えられていましたが、その後は水や日光、空気も必要であるとわかりました。
 
さらに、それぞれの要素が互いに補い合う場合もあるようです。なので、必ずしもリービッヒの最小律が言えるとは言えないようです。
 
 
 
この、「それぞれの要素が互いに補い合う」ということが重要です。特に企業などの人が集まる組織体で樽の理論を適用するときは、互いに補い合うという点を忘れてはいけません。
 
個人で言うのであれば、まずはその環境に合わせて最低限の能力は担保した上で、何か1つだけその環境の中で一番になること。それが重要だと思います。
 
それでは!