青空の下でコーヒーを

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報酬系とは? 〜快感からやる気を生成する脳内システム〜

どーも!青空コーヒーです!
 
みなさんは、どんなときに頑張ろうと思いますか?
 
誰かから褒められた時、
ご褒美がある時、
夢に向かって頑張っている時、
 
いろんなシチュエーションがあると思います。
 
こういう頑張ろうというモチベーションには、報酬系という脳内システムが大きく関わっています。
 
つまり、報酬系をコントロールできれば、自分で頑張ろうというモチベーションを管理できるのです!
 
 
今回はそんな報酬系についてまとめます。
テーマは、
報酬系とは? 〜快感からやる気を生成する脳内システム〜」
です!
 
 
目次
 
 
 

報酬系とは?

 
まずは言葉から。
 
報酬系とは簡単にいうと、快感を感じる脳内システムのことです。
 
もっというと、報酬系とは、特定の神経回路のことです。
 
 
報酬系は、一般的に欲望が満たされた時に活性化されると言われています。
そして、報酬系が活性化されることで、快楽物質のドーパミンが分泌されるのです。
 
 
 
報酬系と調べると、よく「オペラント条件づけ」という言葉も見るかもしれません。
 
これは、ある行動をとることで快感を得られる場合に、いわゆる条件反射的な形で、快感のために行動をとるようになるというものです。
 
 
有名な例は、ラットの実験です。
中脳の中枢に電極を刺されたラットに、ある行動を学習させます。
それは、あるボタンを押すと脳内電極に電流が流れるというものです。
 
非常にエグい実験ですが、電流が流れて中脳の報酬系が刺激されることで、「ボタンを押す=気持ちいい」という方程式をラットが認識します。
 
すると、ラットは気持ちよくなりたいがために、ひたすらスイッチを押すようになります。
そしてラットは、電極によるダメージに気づかず、死ぬまで電流を脳内に流したそうです。
 
 
 
このように報酬系には、自らの意思では制御することができない、生理的・精神的な依存症状に陥る危険性も含まれています。
 
それくらい、報酬系が活性化されることで分泌される快楽物質には、中毒性があり、何度も何度も繰り返したくなるのです。
 
 
 
 
今回はこの報酬系について、
 
1. 報酬系が活性化する要因
2. 報酬系の注意点
3. 報酬系が分泌するドーパミンとその影響
 
という軸に沿って、まとめていこうと思います。
 
 
 
 

報酬系が活性化する要因

報酬系が活性化する要因は、たくさんあります。
 
まずは、報酬系を活性化させる報酬たちをまとめてみましょう。
 
動物的報酬
まずは、動物的報酬です。
もともとというか、ラットの実験でもわかるように、報酬系はすべての動物にあるといっても過言ではありません。
 
それくらい、動物にとっては必須の神経回路なんです。
 
そして、なんのための神経回路かと言われたら、2つです。
食欲、そして性欲です。
つまり、生理的欲求です。
 
食べること、性行為、つまり生きるために、子孫を残すために必要な脳の機能なんです。
 
食べることで快感を得たり、セックスすることで快感を得るというのは、マズローの第一段階欲求を満たすための機能なんですね。
この報酬系があるがために動物は生きてこられたんです。
 
 
 
しかし、人は欲張りです。
以下のような、少し高次な報酬でも人の報酬系は活性化されます。
これが人と他の動物との違いです。
 
 
社会的報酬
次に、社会の中で生きることで得られる社会的報酬です。
社会=人の輪と捉えてください。
 
マズローの欲求階層説で言えば、第3段階の社会的欲求を満たすものです。
 
他人から賛辞を受ける時、自分が集団の中で特別扱いされる時。
このような時に社会的報酬が得られ、報酬系が活性化されます。
 
 
 
感動的報酬
感動して心が満たされる時に得られる報酬です。
 
映画やドラマで感動したとき、このようなときも報酬系が活性化されるため、また感動したくなるために、映画をどんどんみたくなる。
 
そんな感動的報酬報酬系を刺激します。
 
 
 
達成報酬
なにかを達成した時に得られるのが、達成報酬です。
 
彼女ができた、給料が入った、車を買った、全部達成報酬です。
 
なにかを勉強して知識を身につけた、これも達成報酬に当てはまります。
けっこう幅広いのが達成報酬です。
 
 
薬物的報酬
ここから危険度が変わります。アルコールやたばこ、薬物など、病気とも認識されるようなものが、薬物的報酬です。
 
他と異なる点は、薬物を摂取することで報酬系を誤作動させる点、と言えばよろしいでしょうか。
 
 
ゲーム的報酬
ゲーム感覚で得られる報酬です。
 
PCゲームやスマホゲーム、ギャンブルもこの類に当てはまります。
 
このゲーム的報酬は、薬物的な成分を摂取しない点で薬物的報酬とは異なりますが、しかしとても危険な報酬に当てはまります。
 
 
 
 
 
 

報酬系の注意点

では、そんな報酬系に関する注意点をまとめます。
 
 
報酬を期待できるだけでもドーパミンを分泌する
報酬系は、実際に得たり達成しなくてもいいんです。
 
向こうの気があるから妄想の中で告白のシチュエーションを考えたり、もうすぐ納期間に合うから終わりが近づいてきたり、
 
報酬が得られそうだとわかった段階でも、ドーパミンは先行して放出されることがあります。
 
 
デメリットとしては、実際に手に入れなくてもいいという反面、実際に手に入れた時の快感度合いが減ってしまいます。
 
つまり、彼女ができた瞬間に満足したりしてしまう、その後すぐに冷めてしまう、そんな感じです。
 
手に入れるプロセスを楽しんでいるのか、プロセスの後の結果から生まれる何かを大切にするのか、よく考える必要があります。
 
 
 
薬物は報酬系を誤作動させる
コカイン、覚醒剤、このあたりの薬物は報酬系に大きな影響を与えます。
 
報酬系を誤作動させて、過剰なドーパミンを放出させるものと捉えてください。
 
強烈な快感を得られたら、どうしましょう?
また同じ快感を得たくはないですか?
 
強烈だからこそ、薬物の依存症というのは抜けられないんです。
 
 
耐性がある
また、報酬系には耐性があります。
 
つまり、同じ量では満足できなくなるということ
 
だからこそ、薬物というのは抜けられなくなるし、もっと激しくなったりするんですよね。
 
足りないと快感じゃなくて不快感になるので、制御が効かなくなります。
 
 
 
短期的報酬を求めると依存的になる
そして、短期的報酬を求めると依存症になる確率が急激に増加します。
 

いそん‐しょう〔‐シヤウ〕【依存症】

《「いぞんしょう」とも》ある物事に依存し、それがないと身体的・精神的な平常を保てなくなる状態。アルコール依存症のような物質に対するものと、インターネット依存症のように行為に対するもの、共依存のように人間関係に対するものがある。
 
それなしでは普通に生きられなくなることを、依存症と言います。
 
先ほどの薬物的報酬が物質依存、ゲーム的依存が行為依存に当てはまります。(共依存は今回は置いておきます。)
 
 
 
では、短期的報酬を求めると、なぜ依存症になりがちなのでしょうか。
 
 
 
それは、短期的報酬は容易に快感を味わうことができるからです。
 
だって、アルコールもタバコも、とっても簡単に手に入りますよね。
ゲームだってギャンブルだって、すぐに楽しむことができます。
 
 
社会的報酬とか達成報酬とかに比べると、10分もあれば達成できてしまうのが短期的報酬の大きな特徴です。
 
しかも、得られる快感の度合いは違えど、得られる快感の種類に大差はありません。
 
それならば、より手軽に得ることができる短期的報酬の方が手っ取り早く気持ちよくなれますよね?
 
 
 
そう考えて短期的報酬ばかりを得ようとしていると、こう考えるようになります。
 
「社会からの承認とか、夢とか、馬鹿らしいな。」
 
こう思ってしまうと、すぐに得られる短期的報酬を求めるように、脳内の報酬系がそれに合わせて変化するそうです。
 
報酬系が変化してしまい、常に快感を欲する状態を精神依存と言います。
または、体内に快感を引き起こす成分を欲して心拍数や発汗などの身体的症状が出るのを身体依存と言います。
 
こうして、依存症のような状態に陥っていくわけです。
 
 
 
このような目先で得た報酬は、幻想の産物とも言えます。
目の前の欲望に溺れると、這い上がってこれなくなりますよ。
 
 
 

報酬系が分泌するドーパミンとその影響

それでは、報酬系が刺激されることによって分泌されたドーパミンの影響についてです。
 
 
快楽中枢を刺激する
報酬が得られると、まず中脳とよばれる脳の根幹が活性化されます。中脳のなかでも、腹側被蓋野という部分が活性化されるそうです。
 
そして、ここからいろんな脳の部分に神経がつながっているそうですが、その神経系が報酬系と呼ばれます。
 
特に、報酬系の中枢と呼ばれるのが、A10神経と呼ばれる箇所です。このA10はドーパミン神経とも呼ばれる場所です。
 
A10神経系が脳のいろんな箇所につながっているために、中脳から前頭前野扁桃体側坐核などにドーパミンを伝達するのです。
 
そして、快楽中枢と呼ばれる側坐核ドーパミンが刺激します。
 
ただし、側坐核ドーパミンが働いてから効果が出るのには、約10分かかります。
これが作業興奮と呼ばれるものです。
とにかく、ドーパミンによって意欲や好奇心、幸福感が高まり、達成感、高揚した気分、快感を得ることができるのです。
 
そして、またこの快感を味わいたい!と思うことで、モチベーションの維持にもつながります。
 
 
交感神経が活発になる
ドーパミンによって、脳や身体は興奮状態になります。
 
これは、交感神経がドーパミンによって活性化されるためです。
 
闘争・逃走反応の原理はまさにこれなのですが、ぜひ別記事をご覧ください。
人間の本能的な部分になります。
 
達成度合いが大きいほど、多く分泌される
ドーパミンは、達成までの期間が長かったり、達成するのが困難なほど、多く分泌されるそうです。
 
他人に褒められるのも、そんなに簡単ではなかったりするかもしれません。
達成するのが困難な目標を達成するのも、やはり容易ではありません。
 
 
そんな達成度合いが大きく感じられるほど、喜びはもちろん大きくなりますし、達成までのプロセスは辛いかもしれませんが、達成することで充足感を得られます。
 
 
ドーパミン自体が幸福感をもたらすのではない
 
また重要なのは、ドーパミンを分泌すること自体が幸福感をもたらす、ということではないという点です。
 
非常に勘違いしやすい点ですが、ドーパミンはあくまでも行動を起こさせるためのホルモンです。
 
ドーパミンが分泌されることで快楽中枢などが刺激され、そこで初めて快感や幸福感が得られるのです。
 
 
 
ちなみに言うと、ドーパミンには多くのホルモンが連鎖しています。
 
テストステロン、オキシトシングルタミン酸、GABAなどなど。
僕もまだまだ勉強中なので詳細は割愛しますが、別記事もあるので参考までに。
 
 
 

報酬系を上手に活用する

それでは最後です。
 
良い面も悪い面もある報酬系ですが、結局は行動の源泉になるのが報酬系でもあります。
 
つまり、報酬系をコントロールさえできれば、望む方向に人をコントロールすることができるのです。
 
では、どうすれば報酬系を上手に活用できるのでしょうか。
 
 
褒めて伸ばす
まず、褒めて伸ばすというのは典型的な報酬系を活用した行動ではないでしょうか。
 
お手をしたらおやつがもらえる、犬と一緒です。
 
勉強したら褒めてもらえる。
皿洗いしたら褒めてもらえる。
靴をきちんと整えたら褒めてもらえる。
 
褒めてもらえて気持ちよかった。
だから、褒めてもらいたいからもう一度する。
 
子供はそんなもんです。
 
そして、大人もそんな大差ありません。人間ですから。
 
 
行動のあとに快感を与えてあげること、これが他人をコントロールする簡単な方法の1つです。
 
 
自分に報酬を与える
そして、それは自分にとっても同じです。
 
なにか習慣づけしたいと思っても、なかなかできないのが人間です。
 
だから、スモールステップを意識して報酬を与えるようにしましょう。
 
詳細は他の記事に書いてあるのでそちらをどうぞ。
 
注意点としては、褒美を得ることを目的にしてしまうことです。
それこそが短期的報酬のための行動、手段の目的化になってしまっています。
 
褒美の目的化には注意が必要です。
 
 
報酬系を基準としたシステムを構築する
このように、人は報酬を基準とした行動で統制することが最も簡潔です。
 
そんな、報酬系を基準とするシステムこそが、システムを構築する人には求められます。
 
例としては、Facebookのいいね!ですね。
 
投稿して、いいねをもらうことで、承認欲求が満たされ快楽につながります。
 
そして、またいいねをもらうために投稿したくなる。
 
最近はインスタの方がその傾向が強くなりましたが、やはり承認欲求を満たす報酬系を基準としたシステムです。
 
このように、ITと報酬系は容易に結びつくのです。
なぜなら、ITが人のつながりを近くしたために、承認欲求を得られやすくなったからです。
 
 
なので、人を統制することがある場合は、報酬系を基準にしたシステムを組むと、とてもやりやすくなるはずですよ。
 
 

まとめ

いかがでしたか?
 
報酬系とは、神経回路のことです。
 
報酬系にはドーパミンが大きく関与してきますが、報酬系ドーパミンの発生をコントロールできると、人は容易にコントロールできるようになります。
 
理性的に人をコントロールするのではなく、脳という人の基幹システムから自在にコントロールできるようになりたいですね。
 
それでは!